Liberal Arts {Article056}

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仕事は「生活のために」するものではない


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「サピエンス」という本に、
「人間は穀物に家畜化された」
といった表現がある。

旧石器時代、
人類は狩猟採集民族であり、
人々は狩りの毎日を送っていた。

だが、農耕の技術を得たことで
生活様式は変わった。

狩りのための移動をやめて、
畑を耕し続けなければいけなくなった。

やがて人間は農耕技術の進化により、
より大きな集団での暮らしが
可能になった。

安全ではあるが、
決まった土地で生きていくことが
強いられた。

そして、
暮らしていく場所や役目を選ぶことの
「自由」を失った。

著者はその人類の様変わりを、
「穀物に家畜化された」と説いている。

人は農耕を身につけて、
食べ物作りの奴隷となったのだ。

その結果、
仕事は「生きるために
やらなくてはいけないつらいこと」
という思い込みが、
人々のマインドに刷り込まれた。

だが、
現代は穀物生産の自動化が進み、
集団で働かなくても、
食べ物が人間に届く仕組みができた。

AIやIT技術の進化も加わり、
人は多くのつらい労働を
しなくてもよくなった。

食べるために働く時代は、
もう終わっているのだ。

にもかかわらず、
「仕事は嫌だが、
行きたくない会社に通い、
懸命に働くべき」
という理不尽な常識に、
みんなとらわれている。

嫌々ながら仕事をしている人は、
「働かざる者食うべからず」の
古い常識から離れるのが怖いのだ。