健康も寿命も運命も成功も、 極論すると、人生のすべてが この積極的精神というもので決定される。 心の態度が積極的だと、 お互いの命の全体が積極的に運営される。 反対に消極的だと、 全生命の力が消極的に 萎縮せしめられてしまう。 だから、 人生を健康的にも、 また運命的にも、 理想的な完全なものとしたければ、 何をおいても平素の人生に生きる場合、 お互いの心の態度を十分に積極的で あらしめなければならない。 ところが、 たいていの人がこの心理に 目覚めていないので、 健康や長生きというような問題は、 肉体に施す手段や方法が、 何よりも重大であるように思い、 また運命や成功というようなことも、 まず学問とか、あるいは経験とかを 十分に豊富にしなければいけないように 思い込んでいる。 もちろん、 そうした事柄も決して 不必要なことではないが、 それは第二義的なものなのである。 第一に必要とする事柄は、 精神の態度である。 心が、積極か、あるいは消極かで、 人生に対する考え方がぜんぜん両極端に 相違してきてしまう。 心が積極的であれば、 人生はどんな場合にも明朗、颯爽溌剌、 勢いの満ちたものになるが、 反対に消極的だと、 人生のすべてがずっと勢いをなくしてしまう。 人生を考える自分の心が消極的だと、 すべてが哀れ惨憺、光のない、 惨めなものに終わる。 人生というものはたった 一回かぎりである以上、 でき得るかぎり完全な状態で 生かさなければいけない。 この目的を完全なものにするには、 何をおいても第一番に心を、 言いかえれば精神態度をどんな場合にも 積極的に堅持して、 そして全生命を積極的に生かす根本条件を しっかりつくりあげることが必要である。 【積極的精神をつくる6つの心得】 ①平素の人生に生きる場合に、 何事の場合でも、できるだけ 自分の心を強くもつ努力をする。 ②日常の人生に生きる際に、 健康に対しても、また運命に対しても、 どんな些細な人事、世事に対しても、 いま現在の自分の心は積極的かどうかを、 厳格に第三者の心になって、 つねに検討することが必要である。 ③ほかの人の言葉や行動のなかの 消極的なものに自分の心を 同化させないこと。 ④取り越し苦労はぜったいしないこと。 ⑤どんなときにでも本心良心に悖もとった 言葉や行いは断然しないこと。 ⑥平素の人生に生きる際の心がけとして、 でき得るかぎり努めて、 気分を明るく朗らかに、 生き生きとして何事にも応接することを 忘れないこと。