時間を「管理」しようなどと、 思ってはいけない。 お金のように、 足りないものなら管理しなければならない。 だが、時間は足りないわけではない。 アイデアや自信、 常識といったものは不足しているかもしれない。 でも、時間はそうではない。 不足しているのは、 止まった時間、至福の瞬間、 アイデアがわくような時間だ。 「時間管理」では、 スピードアップしろと教えられる。 そうすれば自由な時間ができ、 リラックスする時間が生まれるという。 だが、実現したためしがない。 これはお題目に過ぎず、 ロバを走らせるために、 鼻先にぶらさげたニンジンなのだ。 どんなに速く走っても、 ニンジンとのわずかな距離は縮まらない。 あらゆることのスピードが速くなった現代社会では、 時間は長くなり、仕事にはゆとりがなくなり、 プレッシャーが大きくなっている。 人間はロバのように追い立てられてきた。 「時間管理」という考えのもとで、 労働時間が長くなって、休めなくなっている。 時間革命は、まったく逆を考える。 時間は足りないのではない。 余るほどある。 時間があり過ぎるから、 無駄に使っていると考え直すのだ。 いかにして時間革命を起こすか。 心配するのをやめる。 やることを減らす。 「やるべきこと」のリストを捨てて、 「やめるべきこと」のリストをつくる。 体を使うよりも、頭を使う。 自分にとって何が大事かをじっくり考える。 重要でないこと、楽しくないことをするのをやめる。