Liberal Arts {Article216}

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遺伝の真実【1】



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◆学力の70~90%は、
子ども自身にはどうしようもないところで
決定されてしまっている。

にもかかわらず、
学校は子ども自身に向かって
「頑張りなさい」
というメッセージを発信し、
個人の力で何とかして学力を上げることが
強いられている。

これは、
科学的に見て、
極めて不条理な状況と言える。

◆「教育する」という意味はラテン語の
「導き出す」に由来すると言われている。

底上げするというより、
元々備わっていた能力を引き出して、
増幅するというイメージ。

生まれつきの素養がある人は
教育によってぐんと伸びる、
その一方で、
素養がほとんどない人は
あまり伸びないという、
残酷な事実を告げている。

◆安定した社会関係を結ぶことができる
人間集団は平均150人程度である。

ところが現代では、
それをはるかに超える人数が
つながるようになってきた。

◆幸福な家庭はどこも似通っているが、
不幸な家庭はそれぞれに異なる。

アンナ・カレーニナ(トルストイ)

◆裕福な家庭はアクセスできる環境条件の
豊かさという点でほぼ均質なので、
相対的に遺伝のばらつきが目立ってくるが、
貧困な家庭ではそれぞれ異なった環境条件なので、
共有環境のばらつきが目立つ。

◆人は幸福になるように
デザインされているわけではないけれど、
現実には幸福を感じて生きている人も
たくさんいる。

それは遺伝的才能を生かす道が
この社会にひそんでいるから。

◆遺伝の真実

・才能には遺伝がかかわっている
・収入にも遺伝がかかわっている
・才能に気づき育てるには経験と教育が必要である
・しかしそれはいまの学校教育の中で必ずしも
  できるわけではない
・それは知能や学力には遺伝の影響が
  大きいからである
・学校は遺伝的な能力の個人差を
  顕在化させるところである
・でもこの世の中は学力がすべてではない
・学力とは異なる遺伝的才能を生かした人たちで
  この世界は成り立っている
・才能のないところで努力してもムダだ