時間革命 [1] ◆「食べてはいけない」に踊らされてはいけない 防げる病気をしっかりと予防することは、 「自分時間」を確保するうえで不可欠だ。 他方で、健康に気を遣いすぎるあまり、 かえってそれがストレスになるようなことが あってはいけない。 身体の健康ばかりに気を取られて、 心の健康が損なわれてしまっては本末転倒だ。 心配しても仕方がないことに怯えて、 あやしい情報に振り回されている人が、 なんと多いことだろう。 しなくてもいい我慢をして、 ストレスを溜め込んでいけば、 かえって身体にも悪影響が出たりするかもしれない。 幸せには健康が欠かせないが、 食事だって人間の幸せに直結する営みだ。 だから結局、 すべては程度問題なのだ。 一番よくないのは、 「健康によくない=食べてはいけない」 という短絡的な思考に陥ってしまうことだ。 いい加減な情報に流されるのではなく、 正しい知識を得たうえで、 健康と幸福を天秤にかけ、 何をどれくらい食べるのかを自分で選んでいけば、 それでいいと思う。 「心配」も健康に悪いと気づこう。 ◆病気を防がないから人生の持ち時間が減ってしまう 「時間を増やす」という観点で言えば、 そもそも病気にならないのが一番いい。 完璧な予防は無理にしても、 早めに手を打てるに越したことはない。 正しい知識さえあれば、 けっこう、簡単に病気を予防できる環境が整っている。 予防法がわかっているのに、 具体策を講じないのはおかしい。 「健康」は時間術のベースであることに気づこう。 ◆すべては「自分の時間」を起点にする 通勤に1時間かけ、 8時間を会社のPCの前で過ごし、 2時間を会議や商談に費やし、 また1時間かけて帰宅する。 そんな人も「時間(=人生)の切り売り」 をしている点ではバイトと一緒だ。 そうやって他人のために時間を割いて得られる月給は、 「時間」の視点で見直したとき、 本当に「割に合ったもの」だろうか? 私たちの「時間=人生」は、 他人に売り渡すためにあるのではない。 時間こそは、 誰もが平等に手にできる、 唯一の「資産」なのである。 その「投資先」をたえず判断し、 その価値を最大化することに、 すべてを注がなければならない。 なぜか? その資産(時間)は「有限」であり、 「あるとき急になくなる」から。 仕事や会社、上司、家族など、 「他人の時間」に振り回されている場合ではない。 すべては「自分の時間」を起点にするべきなのだ。 ◆すべては時間の質を上げるため 時間は、人生そのものだ。 時間の質を高めれば、 人生の質も高くなる。 たくさんのお金も、膨大な仕事も、おいしい食事も、 人づき合いも、遊びも、 すべては「よりよい時間」を 生むための手段でしかない。 世間を見てみると、 それをわかっていない人がけっこういるようだ。 典型的なのが「アルバイト」 バイトというのは、 本質的には「時間(人生)を切り売りし、 換金する行為」にほかならない。 どれだけ努力しようが、 だれだけパフォーマンスを上げようが、 バイトで得られる報酬は、 本人のキャパシティを超えることはない。 「分の悪い取引」なのだ。 ◆「Time is Money」ではなく「Time is Life」 時間ほどかけがえのないものはない。 いまの時代、 お金がなくてもそれほど困ることはない。 もしお金がないなら、 自分で働くなり、 起業するなりしてお金を稼げばいい。 しかし、 時間はそういうわけにはいかない。 一度ムダになった時間、 流れ去ってしまった時間は、 もう戻ってこないからだ。 そういう意味で 「Time is Money」というのは 真っ赤なウソである。 「Time is Life」 時間は人生そのものだ。 私たちの人生の価値が湧き出てくる源泉なのだ。 時間がなくなるのは、 お金がなくなるのとはわけが違う。