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山岡鉄舟 修養訓 [10] 【平井正修】



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◆馬鹿になれ、素直になれ!

この馬鹿になる、
素直になるということが、
簡単なようで、なかなか難しい。

とかく人は他人の目を意識して、
よく見られたい、賢く見られたいと思ったり、
他人と自分を比べて勝ち組、負け組だ、
と心を悩ませる。

しかし、他人の評価や他人に勝つことに
人生の本当の価値があるわけではない。

自分の人生、
他人の評価や他人との勝負に
右往左往するより、
本当の自分自身の心に
問いかけていくことこそが、
大切なことだ。

◆すべての行いは心から発する

すべてのことは
自分の心から生まれ出てくるものだ。

心というものは面白いものだ。

自分の心なのに
なかなか思う通りにならない。

世の中の人の行いは、
良きにつけ悪きにつけ、
すべて誰かの心に
ふっと思いついたところから始まる。

事業であれ発明であれ、
誰かの思いつきが発端となる。

それを閃きと呼ぶのか煩悩と呼ぶのかは
結果次第というところか。

人の人生も、
ふっと心に思い浮かんだことから今に至る。

そう考えると、
我々の心次第で自分の人生は
どうにでも変えていくことができるわけだ。

ところが、
人はしばしば自分が何かに
束縛そくばくされていると考える。

だから自分の思うようにいかないのだ、と。

しかし、だからこそ大切なのは、
自分の心をしっかり
見極めていくことなのである。

それが「我に返る」ということ。

ふっと我に返れば、
「なんであのときあんなことをしたんだろう、
あんなことをいったんだろう」と気づく。