◆松陰は 「いかに生きるかという志さえ立たせることができれば 人生そのものが学問に変わり、 後は生徒が勝手に学んでくれる」と信じていた。 だから、ひとりひとりを弟子ではなく友人として扱い、 お互いの目標について同じ目線で真剣に語り合い、 入塾を希望する少年には「教える、 というようなことはできませんが、 共に勉強しましょう」と話したという。 教育は、知識だけを教えても意味はない。 教えるものの生き方が、 学ぶものを感化して初めてその成果が得られる。 そんな松陰の姿勢が、 日本を変える人材を生んだ。 ◆松陰は生まれた時から空気のように存在していた 「しきたり」を破り、 行動を持って自分の信念を貫くことを良しとした。 そんな情熱家である一方、 松陰は大変な勉強家でもあった。 旅をしながらでも本を読み、 牢獄に入れられても読み続けた。 それも、ただ黙々と読むのではない、 人物伝を読みながらその人物の清い態度に怒号し、 軽率な行動に激怒し、 華々しい活躍におどりあがった。 頭でなく、 感情で学ぼうとする男だった。 まるで子どもである。 だからこそ、 学んだことがストレートに行動へ 繋がったのかもしれない。