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覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 [5]【池田貴将】



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◆松陰からの学び(その4)

終わりを意識する。

享楽にふけることで、一時的に忘れることはできる。

だがそれは静かに、着実に歩み寄ってくる。

もしくは予想を裏切り突然やってくる。

ひとりとして例外はなく、いつかは必ず対面する。

あろうことか、本人も知らないうちに。 

死。

終わりを意識できるのは人間だけだ。

それでも懸命になって、
死のイメージから逃れようとする人は、
いつの間にか「人生はいつまでも続くもの」
だと思い込まされているのかもしれない。

人生は長いと思う人もいる。

人生は短いと思う人もいる。

だが本気で生きるということは、
「わずかな残り時間で何ができるか」
を必死で考えることによく似ている。

やり残している事を、臆せずにやればいい。

死を意識すれば、
人の「生」は否応なく正解を導き出すはずだから。

松陰は死罪だとわかっていながら、
迷うことなく海外へ密航しようと試みた。

死ぬまで出られないと分かっていながら、
牢獄の中で「人生とは何か」を学び、
人に教え続けた。 

30年という短い一生の中で、
松陰が見つけた「死への決着」とは何だったのか。