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覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 [4]【池田貴将】



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◆松陰からの学び(その3)

「負けん気」を育てる。

いくら知識を増やしてもしょうがない。

素晴らしい本を読んでも、
素晴らしい話を聞いても、
旅に出て素晴らしい景色を見ても、
それは知識が増えたというだけで、
人生の根本的な役には立っていない。

物事には本質と枝葉がある。

枝葉が知識なら、
本質は「どう生きたいのか」という志である。

この志を言葉にし、
いつも懐に携えていれば、
どこへ行って、
誰と会い、何を見て、何を聞いても、
あらゆるものが道を明るく照らす光となる。

どうすれば人は志を立てられるのだろうか。

その源は「負けん気」にある。

素晴らしいものと出会った時、
「自分も同じ人間だ。負けてなるものか」
と発奮することができるかどうか。

ただそれだけである。

「負けん気」の正体を見つけることができたら、
もういても立っても得られなくなるはずだ。

志のために行動をする。

そして志のために行動したからこそ、
初めてその学問を理解できたといえる。

吉田松陰はいつも「めざす人物」がいた。

「こういう人になるために、学ぼう」
という目標があった。

学問の神として敬われている吉田松陰だが、
それは「誰かに評価されるための学問」ではなく、
本当に自分が日本を変える人物になれるかどうかの、
孤独な真剣勝負だったのだ。