◆松陰からの学び(その3) 「負けん気」を育てる。 いくら知識を増やしてもしょうがない。 素晴らしい本を読んでも、 素晴らしい話を聞いても、 旅に出て素晴らしい景色を見ても、 それは知識が増えたというだけで、 人生の根本的な役には立っていない。 物事には本質と枝葉がある。 枝葉が知識なら、 本質は「どう生きたいのか」という志である。 この志を言葉にし、 いつも懐に携えていれば、 どこへ行って、 誰と会い、何を見て、何を聞いても、 あらゆるものが道を明るく照らす光となる。 どうすれば人は志を立てられるのだろうか。 その源は「負けん気」にある。 素晴らしいものと出会った時、 「自分も同じ人間だ。負けてなるものか」 と発奮することができるかどうか。 ただそれだけである。 「負けん気」の正体を見つけることができたら、 もういても立っても得られなくなるはずだ。 志のために行動をする。 そして志のために行動したからこそ、 初めてその学問を理解できたといえる。 吉田松陰はいつも「めざす人物」がいた。 「こういう人になるために、学ぼう」 という目標があった。 学問の神として敬われている吉田松陰だが、 それは「誰かに評価されるための学問」ではなく、 本当に自分が日本を変える人物になれるかどうかの、 孤独な真剣勝負だったのだ。