Liberal Arts {Article378}

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人生心得帖 [2] 【松下幸之助】



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◆学問を使いこなす力を

学問はあくまで人間にとっての道具である。

それを使う自分の主体性を自覚し、
学問にとらわれ、
振り回されないようにしたい。

学問の必要性が高まれば高まるほど、
それにとらわれないようにすることが
いっそう大事なのではないか。

もし学問が大切だからといって、
そのことにとらわれ、
学問がなければ何もできないというように
考えることがあるならば、
それはやはり好ましいことではない。

学問があることは大いに結構だが、
なくてもかまわない。

なくてもそれなりに生きる道はある。

そういう柔軟な考え方に立つことが
大事なのではないか。

最近の世の中を見ていると、
お互いが学問にとらわれ、
学問に振り回されている姿が少なくないように思う。

学問なりそれを通じて得られる知識なりというものは、
あくまでもお互いが生活していくための
道具にすぎない。

これを適切に使えば、
非常に効果的である反面、
使い方を誤れば、
そこに大きな弊害が生じてくる。

場合によっては、
学問があるためにかえって自分の身を
滅ぼすといったことも起こってくる。

私たちは、学問、知識が道具であることを
よく認識して、
それにとらわれることなく、
正しく生かしていかなければならない。

◆熱意と誠意

知識も大事、
知恵も大事、
才能も大事。

しかし、何よりも大事なのは熱意と誠意である。

この2つがあれば、
何ごとでも成し遂げられる。

◆仕事と運命

何ごとも自分の意志で動く、
とだけ考えていると、
事があったとき動揺しやすい。

自分の意志を超えたものにも目を向けて生きたい。

人間は、一面では自分の意志で
道を求めることができるけれども、
反面、自分の意志以外の大きな力の作用によって
動かされてもいる。

それは否定できない事実である。

◆長所も短所も

自分の長所にうぬぼれてはならない。

自分の短所に劣等感をもつ必要もない。

長所も短所も天与の個性、
持ち味の一面なのである。

◆まず信頼すること

人間は信頼されれば、
それにこたえようとするもの。

信頼してだまされるならば、
それでも本望だというくらいの気持ちに徹したい。