毎日会社に行くことに意味を見いだせない。 そう思うことはないだろうか。 そんな時は、 社会で「働く」ことの意味について、 改めて考えてみよう。 もちろん、 生活に支障のない 労働時間(過重労働ではない)、 労働に見合った報酬、 パワハラなどの力関係がないことが大前提だ。 その場合、 「働く」ことは、 利害関係の中で「承認」を見出すこと。 つまり、 職種は何であれ働いて報酬を得ることで、 組織や相手から認められ、 自分が必要とされているという 実感を得ることができる。 また、「働く」ことのメリットが、 単純に金銭(賃金)が発生することだけに とどまらない場合もある。 たとえば、 家事や育児、 ボランティアなどは、 金銭的なやりとりは発生しないが、 他の人間に必要とされる中で 社会的な立場を得て、 自己価値承認への欲望は満たされる。 「働く」ことは、 社会とつながって認められるための、 ひとつの道具なのだ。 ドイツの哲学者アレントは、 人間の基本的な行動を、 労働・仕事・活動に区分して分析した。 「労働」は、 生命維持のために必要な行動であり、 「仕事」は、 創造的な制作などの分野であり、 「活動」は、 共同体の一員として生きる営みのこととした。 アレントは、 近代化に伴い、 人間の本質である「仕事」「活動」の価値が 失われつつあると警告した。