晩年ソクラテスは、 若者をたぶらかしたかどで裁判にかけられた。 とはいえ、 彼はただ質問しまくっただけである。 かたっぱしから若者をつかまえては、 質問した。 質問を繰り返すことで、 真理に近づけると考えたからである。 これが「問答法」である。 ここで大事なのは、 すぐに答えを教えるのではなく、 相手自身に考えさせること。 すぐに答えを教えてしまっては、 相手は何も考えることはない。 考える機会を持てない。 その結果、 受動的に人の話を 聞くだけになってしまう。