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なぜ現実を疑わなければならないのか?【プラトン】


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イデアはプラトン哲学の中核をなす概念で、
もともとは物の姿や形を意味する。

ただ、形といっても
私たちの目に見える形ではなく、
いわば心の目によって洞察される
物事の真の姿、
事物の原型のことを指している。

たとえば、
バラにはバラのイデアがある。

だからバラの蕾を見ただけで
満開のバラを思い浮かべることができる。

イデアというのは物事の
理想像である。

それは、理性によって
はじめてきちんととらえることが
できるもの。

プラトンは、
こうしたイデアによって構成される
永遠不滅の世界と、
感覚によってとらえられる現実
の世界を区分した。

前者がイデア界、
後者が現像界である。

絶えず変化する現像界は、
永遠に変わることのないイデア界を
模範として存在している。

現実の世界は、
常に理想の世界をお手本にして
存在するべきだという発想に
基づいている。

現実を疑わないといけない理由は
ここにある。

私たちの見ている現実が
事物の本当の姿の影に過ぎない以上、
安易にそれを信じてしまってはいけない。

目に見えるものに対して、
批判的な眼差しを向け、
理想の姿を思い浮かべる。

なぜなら理想は心の目にしか
見えないから。