パスカルの有名な言葉に 「人間は考える葦である」 というのがある。 パスカルは、 正式には次のようにいっている。 「人間は自然のうちでもっとも弱い 一本の葦にすぎない。 しかしそれは考える葦である」と。 人間は葦と同じように 弱い存在だけれども、 考えるという点において異なっている。 考えるという行為は人間にしかできない。 裏を返すと、 それだけ考え事や 悩み事が多いということである。 でも人間は、 決して悩みを放置したり、 そこから逃げ出したりせずに、 それに立ち向かおうとする。 この点において植物より強い。 私たちは自分の弱さやみじめさを 嘆きがちだが、 みじめに思える分だけ 植物や動物よりは偉大なのだ。 弱さを否定するのも間違っているし、 考えることを諦めるのも間違っている。