イドラというのは、 フランシス・ベーコンの用語で、 偶像と訳されているが、 要は偏見や先入観のことである。 つまり思い込み。 真理を把握するためには、 予め思い込みを取り除く必要がある。 彼はそれを「イドラ」と呼び、 4つに分類している。 ・種族のイドラ: 人間という種族に固有の思い込み。 ・洞窟のイドラ: 個人の狭い事情によって生じる思い込み。 ・市場のイドラ: 言語によって生じる思い込み。 ・劇場のイドラ: 権威や伝統への盲従から生じる思い込み。 これら4つのイドラを意識して、 日常において少し自分の思考態度を 疑ってみるだけで、 だいぶ変わってくる。 ベーコンは「知は力なり」といっている。 これは自然の仕組みを理解することで、 人間は強くなれることを示唆している。 そのためにはまず思い込みを 退ける必要がある。 正しい目標に、 正しい方法が備わって、 ようやく学問は力となる。