ヘーゲルのいう弁証法は、 問題が発生したときに、 それを克服してさらに一段上の レベルに到達する思考法を指している。 これによって一見相容れない 2つの対立する問題を、 どちらも切り捨てることなく、 よりよい解決法を見出すことができる。 いわば第三の道を 創造するための方法である。 具体的には、 「正▶反▶合」あるいはドイツ語で 「テーゼ▶アンチテーゼ▶ジンテーゼ」 などと表現される。 つまり、 ある物事(テーゼ)に対して、 それに矛盾することがら、 あるいは問題点が存在するような 場合に(アンチテーゼ)、 これらを取り込んで、 矛盾や問題を克服し、 より完璧な発展した解決法 (ジンテーゼ)を生み出す という方法。 これは単なる二者択一による 妥協や折衷案せっちゅうあんとは違う。 物事は何でも矛盾を抱えている。 正の側面もあれば、 他方で必ず負の側面も有している。 それでも物事はきちんと存在している。 言い換えるならば、 いかなる問題も乗り越えられない はずはない。 あらゆる物事は この繰り返しによって 発展していく。 このように弁証法は、 マイナスをプラスに変える 問題解決法として用いることができる。