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強く生きるためにはどうすればいいか?【ニーチェ】


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ニーチェの思想を象徴する言葉の一つに
「神は死んだ」というのがある。

といっても実際に神が死ぬわけではなく
キリスト教批判である。

ニーチェによると、
キリスト教は愛の宗教といわれるように、
弱い人を慰める宗教だから。

自分の弱さを肯定し、
あの世で救われると
手を差し伸べてくれる。

そのために、
救済の主体としての神という存在を
創造した。

こうして人は、
自らの弱さを肯定し、
神という存在にすべてを
委ねてしまう。

ニーチェはその点を批判する。

それでは奴隷と同じではないかと。

だからキリスト教のことを
「奴隷道徳」とも表現した。

そんな奴隷道徳が、
ニヒリズム(虚無主義)を
産んでいると主張した。

そして、
早くそのことに気づいて、
奴隷道徳に頼らずに強く生きて
いかなければと訴えた。

人生というのは同じことの繰り返しで、
これは永遠回帰と呼ばれる。

私たちはつらくともこの永遠回帰を
受け入れるよりほかはない。

したがって、
強く生きていけるかどうかは、
永遠回帰を理解したうえで、
それでもなお「よし、もう一度」
と思えるかどうかにかかっている。

これは誰にとっても一番しんどいこと。

同じことを繰り返すのは
面白くない。

ましてやそれがつらいこととなると、
なおさらだ。

ニーチェは、そんな永遠回帰を
受け入れることができる存在を
「超人」と呼ぶ。

永遠回帰のような苦しみを
受け入れることができる存在は、
もはやこれまでの人類の常識を
超えた存在にほかならない。

だからといって、
決して手の届かない存在ではない。

強く生きて行きたいと願うなら、
きっと永遠回帰を受け入れることが
できるはず。