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自由と平等は両立可能か?【ロールズ】


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歴史的には、J・S・ミルが、
他人に危害を加えない限り自由は
保障されるという形で表現したものが
古典的な自由主義であるとされている。

ここからもわかるように、
リベラリズムは価値の中立性を意味する。

ところが、現代社会では、
リベラリズムは単なる
中立的価値を表すものではなく、
積極的に人々の自由を促進する
思想として掲げられてきた。

その背景には、
資本主義の進展がある。

貧富の差からいかに人々を救うかが、
思想の面でも課題になっている。

現代リベラリズムの
旗手ジョン・ロールズの「正義論」は、
その代表的な理論。

福祉国家型自由主義、
あるいは平等主義的な
自由主義といっていい。

ここでいう正義とは、
いかにすれば公正な分配が
できるかを問うもの。

そして彼の答えは、
自由を基本にしつつも、
平等によって修正を
図っていくというもの。

いわば政治的には自由を保障しつつ、
経済的には平等を志向する。

ロールズは自らの基本的立場を、
「善に対する正の優先性」と
表現している。

つまり、
現代社会は価値が多元化しており、
一つの善のもとに正義を構成することは
できないという。

そこで、
むしろ手続きの正しさを
優先しようとした。