Liberal Arts {Article235}

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ラ・フォンテーヌの童話



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◆現実の厳しさは、幼いうちから伝えていく

だれもが仲良くハッピーエンドのほうが、
子どもの心に平穏をもたらすのかもしれないが、
現実の厳しさを知らせるのも
必要ではないだろうか。

もし、この世の中の人間が
善男善女だけの集まりなら、
童話もハッピーエンドだけでいい。

だれもが強く正しい正義の味方になれるのならば、
刻苦勤励、ひたすら正直に努力すればいい。

ところが現実には、
ほとんどの子どもは普通の大人になっていく。

いや、普通の大人にしかなれないものだ。

弱肉強食の世の中、
働かざる者食うべからずの厳しさを、
子ども心に植えつけておくべきではないだろうか。

フランスのように。

◆人生の鉄則は働かざる者食うべからず

アリとキリギリスが、
仲良くテーブルを囲んでいる光景は
ほほえましく魅力的だが、
キリギリスがいくら反省したところで、
アリのように夏の暑さをものともせず、
せっせと働くようになるはずがない。

イソップ童話にある「アリとセミ」の本当の狙いは、
人生の鉄則=働かざる者食うべからずである。

そしてフランスの子どもたちの誰もが読んでいる
ラ・フォンテーヌの寓話「アリとセミ」でもやはり、
趣旨は原作のまま。

アリのおばさんとキリギリスのおじさんが
仲良くしている光景が描かれている
ハッピーエンドな児童書がある国は、
世界広しといえども、この日本だけなのである。