Liberal Arts {Article243}

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孤独こそ最高の老後 【1】



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◆個人を持たない自立していない日本人
(人に委ねて自己決定することなく
生きてきた人)は、
群れから離れて「ひとり」になることを恐れるが、
自分で自己決定して生きてきたドイツ人は、
「人間は本来ひとり」という認識なので、
孤独をすんなりと受け入れて楽しんで生きている。

◆ドイツでは、
ほとんどの老人がひとり暮らしだ。

ひとり暮らしで高齢なのに、悲惨ではない。

なぜか?

「自分」を持っている国民と、
「自分」を持たない国民の違いにある。

つまり、「自立している国民(ドイツ)」と
「自立していない国民(日本)」の違いだ。

ドイツでは、幼い頃から自分で考えて
決断するように教育されている。

日本の場合、
子どもの進路を親が決めることが多いが、
ドイツの場合は本人の決断に委ねられる。

ドイツではほとんどが10歳で進路を決める。

つまり、ドイツでは、
人間としての「自立」が早い。

ドイツでは18歳で、
ひとりで生活することで大人にさせられる。

なので、早い時期から、自分の行き先を考え、
決断し、自立して社会で
生きなければならないので、
孤独についても子どもの頃から学び、
身についている。

ドイツでは「人は孤独なのが当たり前」
という考え方を誰もが持つ。

なぜなら、「自立」と「孤独」は
セットだと知っているから。

◆結婚も、
見方を変えれば男女間の取り引きだ。

永久就職とはよく言ったもので、
「籍」を入れさせてもらうことで、
食いっぱぐれを防ぐという意味で同じだ。

愛を信じたいが、
女性にとっての結婚の価値は
「愛」ではなく「籍」という見方がある。

「籍」ほど、
女性にとり魅力敵なものはない。

そして、「籍」ほど恐ろしいものはない。

それが今の日本の戸籍制度だ。

◆ひとり身の高齢者は、
お金を持っているふりと、
寂しい顔を表に出してはいけない。

また、こんなときに子どもがいたらと、
弱気になってもいけない。

ひとりで生きてきた人は、
孤独なのはあたり前なのだから、
人生終盤で血縁を求めたら、
これまでの自分の生き方を
否定することになる。

◆残念だが、
女性は夫よりもお金が好きだ。

妻のボランティア活動について行く
定年夫がいるが、
妻との関係を悪くし嫌われるだけなので、
ついて行かないほうがいい。

妻と一緒の老後の幻想は
持たないほうが賢明だ。

妻との距離は、平行線が一番。

定年夫は、
妻との距離を縮めないように心がけること。

◆有料老人ホームに入居するというのは、
安心を買うということだ。

しかし、安心は手に入れられても、
幸せを手に入れるのはまた別の話だ。

もし、老人ホームの生活に幸せを求めるのなら、
部屋でひとりで好きなことに没頭するか、
それとも努力しておしゃべり相手を見つけるか、
どちらかしかないだろう。

「老人は老人が嫌いだ」。

その環境(老人ホーム)の中で死ぬまで
時間を過ごすのは容易なことではない。

◆「どんなことがあっても、
老人ホームには入らない。絶対に嫌だ!」
という老人もいる。

しかし、子どもの生活を考えると、
結局は入居せざるを得ない親は多い。

老人ホームが死を待つ場所である老人たちにとり、
言い方は悪いが独房のようなものだ。

もちろん、
老人ホームでの生活を楽しんでいる人もいる。

でも表面上は楽しく見えるだけで、
心の中は寂しい人も多いはず。

◆老人ホームに入れられた老人は、
どんなに立派なところを用意されても、
家族に捨てられたという思いがある。

老人は、自分が家族の邪魔になっていることを
敏感に察知する。

◆老後は孤独であるがゆえに、
「病気になったらどうしよう?」
「お金が尽きたら誰に頼ればいいのか?」
「ひとりで終活ができるのか?」
「一緒に楽しく過ごせる仲間がいない」
というふうに、
「健康や病気」「お金」「終活」「人間関係」
の全部が、孤独であると不利になると
思っている人が多い。

しかし、果たしてそれは正しいのか?

孤独でもいつも明るく楽しく
生きている老人はたくさんいる。

しかも、「健康」「お金」「終活」「人間関係」
の不安もそれほど抱えていないし、
実際に困っていない。

一方で家族がいたり、
家族や友人といつも一緒にいれば、
不安は全部解消するのだろうか?

絶対にそんなことはない。

老後は孤独が悪いことではなく、
むしろ孤独こそ最高の老後にするのに
必須であると確信する。

◆65歳以上では、
「健康や病気」「お金」「終活(死に支度)」
で不安を抱える人が多い。