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人蕩し術【4】無能 唱元



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◆良く生きるとは、
死の直前まで、
希望を失わないこと。

◆「愛」とは「与えること」であり、
その与えるということは、
他人の五代本能のどれかを充足してあげる、
ということになる。

それはまた、
他人の心配や悩みを除いてあげる作業である。

◆まず自分が豊かになることが大切

他人の自己重要感を高めてあげようとしても、
あらかじめ自分の自己重要感を自分で高めなければ、
苦しくなってしまう。

すなわち、
自分を自分でまず尊敬していなければ(自尊)、
他人のそれを高めているうちに、
自己劣等感がどんどん増大し、
みじめな気分に陥ってしまう。

物質的にも精神的にも、
まず自分が富んでいなければ、
他人に何かを与えることは至難の技である。

◆何かを取得するには、
2つの方法がある。

1:狩猟的方法
2:農耕的方法

狩猟的とは、
目的物をぱっと直接的に捕らえる方法であり、
農耕的とは、
種をまき、木を育て、実を収穫する方法である。

世の多くの人は、
何かを手に入れるには狩猟的方法のみ
良しとしている。

しかし、
この方法では決して、
人は豊かで安定した生活を築くことはできない。

農業あるいは牧畜などで、
種すなわち原因を与え、
ついでその熟成を待ち、
ついにおびただしい
天からの恵みを受けることになる。

◆この世の中には2種類の人間しかいない。

それは与える人間と借りる人間である。

◆収穫は後からやってくる

「人生貸越説」という言葉がある。

他人の五代本能のいずれかを
充足してあげることは「与える」ことであり、
これに即効的な報いを求めず、
世間に対して与え続けているならば、
それは宇宙銀行に定期預金しているようなものだ。

預金残高欄に残高が増えるほど、
あなたの徳は高くなっていく。

「徳とは得のことである」と中国人はいう。

事実、中国では昔、
金持ちのことを「有徳人うとくじん」と呼んだ。

この定期預金が満期になったとき、
富や身分、地位、また友情や健康、
そしてあらゆる成功が手に入ってくる。

それは、
たっぷりと利息がついてのち、
どっと支払われる。

◆この世の中はすべて
「GIVE and TAKE」でなりたっている。

すなわち、
人は他人から何かを欲するとき、
その人に何かを支払わねばならない。

ところが、
世の多くの人の誤解がここにある。

というのは、
人々は「得を求め、損を少なくする」
ことが自分の行うべき生活行為だと錯覚している。

これは根本的かつ決定的な間違い。

我々は人に何かを与えなければ、
けっして快く相手から何かを得ることはできない。