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孤独になると結果が出せる【1】茂木健一郎



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◆結果を出せる環境をつくる

孤独とは、
脱抑制して結果を最大化できる環境である。

そして、結果を出すには、
まずアウトプットするという行為が欠かせない。

アウトプットとは、
一般的には、インプットし、
自分が身につけてきたものを発揮する行為である。

アウトプットはいつでもどこでも
どんなときでもできるのかと言えば、
そうではない。

インプットしたものを惜しみなく
アウトプットするには、
工夫が必要である。

それが、孤独という環境をつくること。

◆無意識を意識のコントロールから解き放つことが、
「脱抑制」。

脱抑制は、
それまで気づかずにいた
自分自身を知ることにもつながる。

その脱抑制を可能にしやすい環境が、「孤独」。

同時に、脱抑制をして自分自身を知ることが、
孤独になるもう一つの目的である。

◆孤独を選ぶということは、
自分の人生を他人任せにせずに自分で引き受けて、
自ら切りひらいていこうとする覚悟と、
言い換えることができる。

◆一人ひとりの脳が各人固有のものであり、
ほかの人とは断絶していることからも、
人が本質的に孤独であるということが説明できる。

人間の脳は、現時点ではコンピュータのように
ネットワーク化することができない。

その意味で、
脳はもともと孤独である。

◆孤独(Solitude) vs 孤立(Isolation)

孤独な人と孤立する人との違いは、
メタ認知に長けているかどうかという点。

メタ認知とは、
あたかも自分自身を「外」から見るように
客観的に見つめること。

孤独な人は、これに長けているので、
自分の限界も自覚している。

◆結果を出せる能力と同調圧力の関係

・孤独な人
(結果を出せる・同調圧力に屈しない)

・面従腹背めんじゅうふくはいする人
 (結果を出せる・同調圧力に屈する)

・孤独になれない人
 (結果を出せない・同調圧力に屈する)

・孤立する人
 (結果を出せない・同調圧力に屈しない)

◆同調圧力をはね返す孤独の力

日本人の同調圧力が密かに、
一人ひとりのアウトプットを生む力を
じわじわと削ぎ、
ひいては国全体のアウトプットを低下させている。

この同調圧力が強固であるかぎり、
日本の閉塞状況は続く。

ではどうすればこの閉塞状況を解決できるのか?

それには、
同調圧力から巧妙に距離をとればよい。

その方法が「孤独」である。

同調圧力をはね返し、
閉塞状況を打ち破る。

孤独には、
それほど強力なパワーがある。

◆ぬるま湯が成長を妨げる

現代の日本人はそこそこで便利な生活にすっかり
満足してしまって、
変化や成長を積極的に求めるどころか、
むしろ避けているように思える。

日本全体が「茹でガエル現象」に陥り、
もはや「座して死を待つ」のみのように映る。

◆孤独な人は、
一人ぼっちでも仲間はずれにされているのでもなく、
自分に向き合って内にあるものを追求していく。

孤独な人は、
マインドフルネスで、
自分の中にある小さな幸せに気づいているので、
いつも満たされている。

孤独な人は、
周りのことを気にせずに、
好奇心のおもむくままに行動できる。

孤独な人は、
自分の頭で考え、
行動を報酬化することによって
イノベーションを興する。

孤独を選んで、
結果を出せる人になる。

◆孤独とは
脳を脱抑制して
結果を最大化できる
最良の環境。