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孤独になると結果が出せる【2】茂木健一郎



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◆心の欲する所に従えどものりえず

「七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず」

70歳ともなると、思うままに振る舞っても、
人間としての道徳規範をこえなくなる。

自分の行動が真の自由を得る意。

孔子が自分の生涯を述懐して語った言葉。

「矩」は人間として守るべきおきて。

自分の心の思うままに行動しても、
決して道徳から外れないということ。

◆無理なく孤独を実践するコツ5選!

1:自然に還る
(自然と一体化する、自然をボーッと眺める)

5分でも10分でもいいからボーッとしていると、
脳内でデフォルト・モード・ネットワーク
(DMN)が稼働する。

すると、これまであまり使っていなかった
回路が結びついて、
停滞していた企画や行き詰まっていた問題を
 解決に導く閃きが生まれる。

2:即断即決する

単純に言えば、
スタート地点ではうまくいく確率も
うまくいかない確率も50%ずつ。

それならば、まずやってみて、
少しずつ改善していって、
その確率を上げていったほうが、
最終的に成功する。

少なくとも悩んでいる間は、
物事は何も進展しない。

即断即決してまずはやってみるほうが、
成功に近づける。

即断即決すると、迷いも悩みも後悔も
スパッと断ち切ることができる。

3:行動を報酬にする

行動は自分自身のことなので、
逐一コントロールできる。

ところが、結果には自分以外の相手や
環境が介在するので、
もはや自分自身のコントロールが
及ぶところではない。

自分の外にあるものを思いどおりに
しようとするのは無謀。

一人の人間ができることは、
「人事を尽くして天命を待つ」ことだけ。

それ以上を求めるのはエゴというもの。

地味で単調な一つひとつの行動、
それ自体を「報酬」にできると、
先の見えない長い道のりも落ち着いた
気持ちで歩むことができる。

行動すること自体が楽しくなり、
極端に言うと、
結果などおまけのように思えてくる。

4:アウェーに飛び込む
 
「アウェー=自分にとってマイナスの環境」
ではない。

飛び込んだときは不安でも、
そこで自分なりの課題を見つけ、
クリアできれば、
自分自身を成長させる足掛かりになる。

それは、
自分の望む結果にあなたを一歩近づけるはず。

5:あの人と自分を置き換えてみる

「自分が相手の立場だったとしたら、
どのように見えるのだろうか」と考えてみる。

それは他人の視点で状況を客観的に
見ることなので、一種のメタ認知。

◆成功している人ほど、
一度は臥薪嘗胆がしんしょうたん(苦心・苦労を重ねること)
の時代を経てきている。

苦しい時期はひと回り大きくなるための
試練と受け止め、
腐らずにリベンジ策を練るしかない。

◆結果を出している孤独な人は、
どんな実績を挙げていても「今、ここ」に
注力して行動しているから、
過去にしがみつく必要がない。

結局のところ、
今が充実すれば、
過去にしがみつく必要がない。

◆孤独になることは、
自分自身を知ること。

自分自身を知ることを避け続けた人は、
孤独にもなれないし幸せにもなれない。

小手先でちょっとした成功を得ることは
あるかもしれないが、
大きな結果を手にすることはない。

孤独を避けるのは、人生の大いなる損失。

◆孤独な人はマインドフルネスでいる

マインドフルネスとは、
とらわれをなくして、
「今、ここ」で起こっていることを
そのまま受け止める心理的な態度のこと。

この態度が身につくと、
「自分の内になるもの」に敏感に
気づくことができるようになる。

マインドフルネスになるためのポイントは、
「いい・悪い」とか「好き・嫌い」
「できる・できない」といった判断を
しないこと。

マインドフルネスと孤独は、
極めて親和性が高い。

◆脳は「空白」を必要としている。

脳の働きを活性化させようとしても、
基本的に強制はできず、
自発性をうながすしかない。

脳の活性化には、脱抑制が必要。

抑制をはずしさえすれば、
あとは勝手に活動してくれる。

そして、空白こそが、
脱抑制をうながす。

空き地ができたときに、
そこに雑草が生えるように、
脳の中に「空白」ができたときに、
そこを不思議な色や形が満たす。

それが、「独創的なアイデア」
と呼ばれるものの本質である。

◆孤独の効用6選!

1:考える力が身につく

孤独な人は、周りに答えを
教えてもらうようなことはしない。
人に依存することをいさぎよしとせず、
何より自分の頭で考えることを選ぶ。

そのほうが自分を成長させることを知っている。

2:オンリーワンになれる

ブルー・オーシャンを見つけるうえで
カギとなるのが、まさに孤独。

「自分の内になるもの」を
トコトン追求していくことで、
ほかの人が容易には真似できない独自の商品や
サービスを生み出せる可能性がある。

3:イノベーションをおこす

破壊的イノベーションは、
本質と合理性の容赦なき追求の結果として興る。

だからこそ、同調圧力に屈しない孤独な人が
破壊的イノベーションを生み出しやすい。

4:フロー状態になれる

孤独になれる環境を整えて、
誰にも邪魔されずにやりたいことに取り組むと、
フロー状態に入りやすくなる。

フロー状態になると、自分が思っていた以上に
アウトプットを実現することが可能。

孤独には、フロー状態を起こしやすい
という効用がある。

フローになるには、
自分自身が心からやりたいことを
思う存分やること。

5:教養が身につく

「アウトプット▶インプット」のサイクルは、
自分自身の興味・関心が出発点となる。

そのため、孤独という環境を確保することは、
教養を身につけるうえで欠かせない。

それは、孤独になってボーッとしていると、
脳内でデフォルト・モード・ネットワーク
(DMN)が稼働する。

DMNは集中しているときではなく、
何もしていない状態のときに稼働する
脳のシステム。

孤独になるから、DMNが稼働する。
DMNが稼働するから、教養が身につく。

6: 本当の仲間が持てる

◆誰にも邪魔されず、
かつ何者にも縛られることなく、
「こういうことをしたい」
「こんなふうにやってみたい」
という自分の内にある欲望に気づき、
それをトコトン追求し結果を出せる
 状態にあること。

それが、孤独である。

優れた結果を出すためには、
孤独でなければならない理由がある。