◆貧乏と感じるのは収入のせいでも不景気の せいでも、収益の上がらない 職業のせいでもない。 支出をする「自分自身」が、 いちばんの問題なのである。 ◆貧乏か金持ちか? それを決定するのは、 収入の多寡ではない。 金の「入り=収入」と「出(で)=支出」 の関係である。 金持ち脳になるために一番重要なのは、 収入を増やすことではなく、 支出をコントロールすることなのである。 ◆会社という組織は、 一種の宗教団体といえるかも知れない。 金を儲けるという一つの目的のために、 メンバーのすべてを洗脳し、 奴隷のごとく突っ走らせてしまうのである。 ◆「奴隷」は給料が高くてもやはり「貧しい」。 「正社員」になりたい人は自己能力の評価が低い。 漠然と「正社員」になりたいと答えるとき、 それは間違いなく貧乏脳の発想である。 なぜならば、そこには、 エンジニアになるとか、 営業マンになるとかという職種への憧れはなく、 賃金を保障されたい、 つまり、ただ漫然と奴隷のように働きたいという だけの夢だからである。 また、公務員になりたいと思っているような 人間も、正社員同様、エフェカシー (未来の自分に対する自信を持ち、 困難な課題にも前向きに立ち向かうこと) は低い。 ◆金で満足が買えると思って、 そのために、稼ぎまくってきた貧乏脳は、 ある程度のお金を持つようになってから、 お金では買えないモノがあることに気づく。 したがって、 お金を稼ぐことで、 新たな不満足を知るのである。 要するに、不満足脳は、 永久に満たされることがない。 ◆自分に不満足な人は、 自分を貧乏な人と感じる。 一方、低収入でも、 自分を貧乏とは思わない金持ち脳がある。 金持ち脳は、 贅沢三昧とは縁遠くても、 贅沢をお金で買おうと思っていないから 貧乏ではない。 というわけで、 お金で満足したい人間は、 ずっと貧乏が続くことになる。 ◆持っているお金の絶対量においても、 暮らしの便利さにおいても、 昔よりも今のほうがはるかに豊かである。 それなのに、お金がない、と嘆く。 貧乏を脱して金持ちになると、という。 なぜか? これも理由は単純で、 欲望が増えたから貧乏感が増しているのである。 お金が減ると貧乏になるのではない。 欲望が増えると貧乏になるということだ。 ◆貧乏脳、金持ち脳とは、 持っているお金の絶対量が問題なのではない。 持っているお金に対して使っているお金が どれくらいか、ということである。 ◆貧乏脳は、 「不満足脳」と「低自己評価脳」という 2つの脳が生じることで形成されていく。 ◆たとえ収入が低くても支出が少なければ金持ちで、 高収入を得ていても支出が多ければ貧乏なのである。 要するに、問題は収入にあるのではなく支出にある。 これはきわめて単純な図式なのだが、 ここのところを押さえておかないと、 問題が見えてこない。 なぜなら、 不満足脳は、 収支のバランスの崩れから生まれるからだ。