Liberal Arts {Article269}

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金持ち脳【2】苫米地 英人



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◆貧乏と感じるのは収入のせいでも不景気の
せいでも、収益の上がらない
職業のせいでもない。

支出をする「自分自身」が、
いちばんの問題なのである。

◆貧乏か金持ちか?

それを決定するのは、
収入の多寡ではない。

金の「入り=収入」と「出(で)=支出」
の関係である。

金持ち脳になるために一番重要なのは、
収入を増やすことではなく、
支出をコントロールすることなのである。

◆会社という組織は、
一種の宗教団体といえるかも知れない。

金を儲けるという一つの目的のために、
メンバーのすべてを洗脳し、
奴隷のごとく突っ走らせてしまうのである。

◆「奴隷」は給料が高くてもやはり「貧しい」。
「正社員」になりたい人は自己能力の評価が低い。

漠然と「正社員」になりたいと答えるとき、
それは間違いなく貧乏脳の発想である。

なぜならば、そこには、
エンジニアになるとか、
営業マンになるとかという職種への憧れはなく、
賃金を保障されたい、
つまり、ただ漫然と奴隷のように働きたいという
だけの夢だからである。

また、公務員になりたいと思っているような
人間も、正社員同様、エフェカシー
(未来の自分に対する自信を持ち、
困難な課題にも前向きに立ち向かうこと)
は低い。

◆金で満足が買えると思って、
そのために、稼ぎまくってきた貧乏脳は、
ある程度のお金を持つようになってから、
お金では買えないモノがあることに気づく。

したがって、
お金を稼ぐことで、
新たな不満足を知るのである。

要するに、不満足脳は、
永久に満たされることがない。

◆自分に不満足な人は、
自分を貧乏な人と感じる。

一方、低収入でも、
自分を貧乏とは思わない金持ち脳がある。

金持ち脳は、
贅沢三昧とは縁遠くても、
贅沢をお金で買おうと思っていないから
貧乏ではない。

というわけで、
お金で満足したい人間は、
ずっと貧乏が続くことになる。

◆持っているお金の絶対量においても、
暮らしの便利さにおいても、
昔よりも今のほうがはるかに豊かである。

それなのに、お金がない、と嘆く。

貧乏を脱して金持ちになると、という。

なぜか?

これも理由は単純で、
欲望が増えたから貧乏感が増しているのである。

お金が減ると貧乏になるのではない。

欲望が増えると貧乏になるということだ。

◆貧乏脳、金持ち脳とは、
持っているお金の絶対量が問題なのではない。

持っているお金に対して使っているお金が
どれくらいか、ということである。

◆貧乏脳は、
「不満足脳」と「低自己評価脳」という
2つの脳が生じることで形成されていく。

◆たとえ収入が低くても支出が少なければ金持ちで、
高収入を得ていても支出が多ければ貧乏なのである。

要するに、問題は収入にあるのではなく支出にある。

これはきわめて単純な図式なのだが、
ここのところを押さえておかないと、
問題が見えてこない。

なぜなら、
不満足脳は、
収支のバランスの崩れから生まれるからだ。