◆人が簡単に変われない二つの理由 我々が変われない理由は二つある。 ひとつは本来の性格からそれができないためである。 もうひとつは、 時間の経過とともに獲得したものだからである。 これらは容易には変化させることができない。 ◆運の良し悪しの正体 運が良い、運が悪いというのは、 往々にして時代との相性によるものである。 ◆なぜ人は現実を嫌うのか 人間の欲望は限りがない。 人間がやりたいことをやろうとするのは勝手である。 しかし実現させようとすると、 それは思いどおりにはいかない。 そのためにさらに欲望は広がる。 その結果、心の中には不満が満ちて 現状にうんざりするようになる。 こうして人は現実を嫌って未来に 憧あこがれるようになるのである。 ◆人間はやすやすと堕落だらくする 人間はどれほど善良に生まれつき、 どんなに素晴らしい教育を受けたところで、 何とやすやすと堕落してしまうものなのか。 野心に踊らされて訳がわからなくなり、 他人の不徳にも影響され、 本来の善人の部分も捨てて悪徳の道へ 転がり込んでいってしまうことができる。 ◆忘恩ぼうおんはどん欲と不信感から生まれる 恩には恩で報いるということより、 受けた善意を忘恩で 裏切ることのほうが容易たやすい。 恩返しをするというのはたいへんなことであるが、 恩を仇で返すというのは楽であり、 かつ儲けにもなる。 人は生まれながらにして虚栄心が強く、 他人の成功に対してはねたみを抱きがちである。 一方、自分の成功についてはどん欲である。 ◆行動するひとになれ 行動するひとをめぐるあらゆる事柄は、 決して留まることがない。 上がったり、下がったり、いつでも動いている。 それらを、多くのひとは理性によってではなく、 必要に迫られて行っているのである。 ◆人間はみなよこしまである あらゆる人間はよこしまな心をもっている。 勝手に振る舞えるとなれば、 すぐに本来の邪悪な部分が むくむくと頭をもたげてくる。 たとえしばらく、 邪悪さが姿をひそめて見えないとしても、 時間が経てばその化けの皮がはがされる。 ◆不運の後には必ず幸運が訪れる 人々は自分のしたことの審判を しなくて良いのであれば、 積極的にわからないままに放っておく。 うまくいかなかった場合を想定しつつ。 なぜならば、 不運の後には必ず幸運が訪れると考えるからである。 ◆歴史は繰り返す 過去に起きたあらゆることは、 再び起こると信じるべきだ。 ◆中立を選んではならない 中立という立場を取ってはならない。 その立場を取れば、 憎まれ軽蔑されるのが落ちだからだ。 なぜなら、 いずれかから何かしらの 利益を得ているように見えたり、 あるいは、 あなたと誰かとの長い友情ゆえに 自分の立場を明確にできないのではないかと 見られても仕方がないからである。 さらにまた、 あなたが意見を表明しないとすれば、 あなたへの嫌悪も引き起こすことになるだろう。 ◆学ぶこと、生きること 途切れることなく起こり続ける日々の出来事について、 注意深く、また現実的に読み取ることを学ぶように。 歴史が実証するあらゆる出来事を 読み直す機会も失わないように。 新しいものは、 今の現実と古典とをつきあわせたところに 生まれてくる。 ともかく現在に生きよ。 過去の豊かさから学ぶことを忘れずに。