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完全なる投資家の頭の中〔マンガーとバフェットの議事録〕【トレン・グリフィン】



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◆投資で成功するための必要不可欠な13の資質

1: 忍耐
2: 規律
3: 冷静さ、そして勇気と決意
4: ある程度の知識は必要だが、
   知能指数の高さは必要ない
5: 誠実さ
6: 自信は持ってもイデオロギーは持たない
7: 長期指向
8: 情熱
9: 勉強熱心
10: 同僚
11: 健全な資質
12: 倹約
13: リスク嫌い

◆頭が一番良いわけではないのに
出世する人がいる。

時には最も勤勉ですらないこともある。

ただ、そういう人は学び続けている。

彼らは朝起きたときよりも
寝るときのほうが少し賢くなっており、
特にそれを続けた人は、
それが大きな差になる。

◆不完全で限界のある人間の脳は、
簡単なほうにすぐ流されてしまう。

また、脳は思い出せないものや、
一つ以上の心理的なバイアスによって
認識できなくなっているものは
使うことができない。

◆経験豊富な意思決定と
慣れていない新人の大きな違いは、
「判断」「直観」などといった
漠然としたものではない。

もし経験豊富な人の頭の中を
のぞくことができるならば、
そこにはすぐに使える行動の蓄積と、
行動する前に考えるべきことのチェックリストと、
判断を下さなければならない場面で
それらの情報を引き出して
意識的に注意を向けることができる
メカニズムが見つかる。

◆知識は、
幅広い分野の大きなアイデアを、
その一部ではなく、
全部を繰り返し使って考えていかなければならない。

ほとんどの人はひとつのモデル
(例えば、経済学)で訓練されているため、
そのなかですべてを解決しようとする。

古いことわざにもあるように、
「金槌しか持っていない人には、
すべての問題が釘に見える」。

しかし、
これは問題の賢い対処方法とは言えない。

◆群衆のまねをすれば、
平均に回帰することになる。

平均的なパフォーマンスしか上げられない。

◆良い投資家になる方法を理解すれば、
良いビジネスマンになれるし、逆も同じ。

◆最も大事なことは、
株は会社を所有しているつもりで保有すること。

◆成功している投資家は、
そのプロセスに関心を持っている。

それは大工でも、園芸師でも、
育児中の親でも同じことだ。

◆資金運用で愚かなことをしてしまう理由は、
釣具屋の男の話を聞けば分かる。

店に並んでいるルアーをみて、
「こんな紫や緑のルアーで本当に魚が釣れるのかい」
と聞くと、釣具屋はこう言った。

「お客さん、私の客は魚じゃありませんよ」

◆投資家が、
継続的にマーケットを上回るのは不可能だ。

そのため、低コストのインデックスファンド
(もしくはETF)で
分散投資をするのが最善策と言える。

◆投資を試みるほとんどの人がうまくいかない。
ただ問題は、90%の人がうまくいっていないのに、
みんな周りを見回して
「自分はトップ10%に入っている」
と思っていることである。

◆ある投資家のエピソード

ある日、投資家が公園を散歩していると、
池の端の丸太にカエルがいた。

カエルは彼女をまっすぐ見つめて、
「すみません。
もしかしてあなたは投資家ではありませんか」
と聞いた。

彼女は「そうよ、なぜそんなことを聞くの」
と答えた。

カエルは、
「実は、私は株の投機家なのです。
私の一番の顧客が投資結果が気に入らないと言って
私を魔法にかけ、
カエルにされてしまいました。
この魔法は、投資家がキスしてくれたら解けるのです」
と言うのだ。

彼女はすぐに手を伸ばしてカエルをつかむと、
バッグに入れて家に急いだ。

キスしてもらえなかったカエルは心配になって、
「何をするのですか。
いつキスしてくれるのですか」と聞いた。

投資家は、
「私は永遠にキスしないわ。
私にとっては、
投機家よりも話ができるカエルのほうが
価値が高いからよ」と言った。

◆ほとんどの投資家は、
そもそもリターン(どれだけ儲かるか)
にばかり気をとられて、
リスク(どれだけの損失を被るか)には
あまり関心を払わない。

◆孔子曰く、
「知るを知るとなし、
知らざるを知らずとなす、
これ知るなり」

知らないことは知らないと自覚すること、
これが本当の知るということである。

アリストテレスやソクラテスも
「無知の知」と同じことを言っている。

◆簡単な判断や賭けを探すことに集中し、
難しいことを避け、
関係ないことを排除すれば、
投資家はよい判断を下せるようになる。

「愚かさを追い払い」、
重要でないことをはねのければ、
「心が乱れなくなり、
いくつかの理にかなった行動をとれるようになる。

また、集中すれば単純で明瞭な思考が
できるようになり、
それがより優れた投資結果につながる。

◆複雑な問題を単純にするには、
問題を部分ごとに分解したうえで、
全体として見る。

◆グレアム式システムの最も重要な点は、
単純なことである。

世の中には、
物事を不必要に複雑にしてしまう人が多すぎる。

NASAに次のようなジョークがある。

NASAは無重力状態だとボールペンが
使えないことに気づいた。

そこで、
NASAの科学者は10年の歳月と巨額の費用をかけて、
無重力状態だけでなく、
極めて低温でも、
宇宙飛行士がどのような大勢であっても、
ほぼすべての場所で使えるボールペンを開発した。

一方、ロシアの宇宙飛行士は鉛筆を使っていた。

◆成功している投資家は
「ずっと学び続ける」ことをやめない。

学び続ける必要があるということは、
投資家が常に本を読み、
考え続けなければならないということでもある。

マンガーの子供たちは父親のことを
「本に足が生えたような人」と呼んでいる。

◆グレアムが考えたバリュー投資には、
次の4つの原則がある。

1: 株は会社の一部分を所有しているつもりで保有する。

2: 安全域を確保するために、
   本質的価値よりもかなり安く買う。

3: 躁鬱病患者のミスター・マーケットを、
   主人ではなく、しもべとする。

4: 合理的に、客観的に、個人的な感情を排する。

◆バリュー投資は、
点を結んでいけば全体が分かるというものではない。

グレアムのバリュー投資システムは、
ロケット工学の科学者並の頭脳がなくても
完全に理解することはできる。

しかし、ほとんどの人は感情や心理を
制御してすべきことを実行したり、
マーケット指標を上回るためにすべきことを
すべてしたりすることができない。

だからこそ、
投資は単純だが、
簡単ではない。

◆「私は、何がうまくいき、
何がうまくいかないのか、
その理由を探っている」

チャーリー・マンガー

◆他人の成功や失敗から学ぶことは、
大きな傷みを被らなくても、
より利口で賢くなるための最速の方法である。

「人ができる最高のことは、
他の人がより多くを知る手助けをすることである。」

チャーリー・マンガー

◆多くの人が投資を自分の判断で行わない
(周りに流される)、
という基本的かつ重要な事実がある。

これは、
自立的な思考ができる人は感情を抑制して、
心理的な間違いを避けることで
有利な投資ができることを意味する。

◆一般に、金融市場での資産運用における
高度な専門的知識を身につけるためには、
エキスパートが所属するコミュニティに加わって
正統的周辺参加を行うか、
成功事例を研究し模倣する社会的学習を行うしかない。

なぜなら、
金融市場の動きはそのほとんどが
ランダムであるがゆえに、
私たちは自身の経験から解を導き出し
帰納的に学習することができないからである。

したがって、
私たちが優れたオペレーターたりうるか否かは、
金融市場を理解するメンタルモデルを持つことと、
投資行動をシステムとして怜悧れいりに
実行できる技術を暗黙的に知ることにかかっている。