Liberal Arts {Article356}

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好きなことだけで生きる人が成功する時代 Dark Hourse [2] 【トッド・ローズ、オギ・オーガス】



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◆「個人の才能を伸ばすには・・・」
2つの対立する理論

標準化の考え方とダークホース的な考え方は、
単にあなた自身をどう見るかという点でのみ
対照的なのではない。

この2つは、他者をどう見るかについても
対照的な考え方なのである。

したがって、この2つの異なる考え方には、
あらゆる人間がどのように個々の潜在能力を
開花させるかという問題についても、
正反対の処方箋が含まれているのだ。

●標準化の考え方
・自分の小さなモチベーションを無視せよ
・自分に合う選択肢を無視せよ
・自分に合う戦略を無視せよ
・目的地を見定めよ
・成功の追求が充実感に繋がる
・目的地を知り、懸命に努力し、コースから外れるな
・他の人と同じことをして、
  ただ他の人より優秀でいなさい
・組織中心

●ダークホース的考え方
・自分の小さなモチベーションを探り出せ
・自分に合う選択肢を探り出せ
・自分に合う戦略を見つけろ
・目的地を忘れろ
・充実感の追求が成功に繋がる
・個性を生かして充実感を追求し、
  それによって成功を目指せ
・最高の自分になりなさい
・個人中心

◆ダークホース的「個人軸の成功」の処方箋

標準化の考え方は、何の役にも立たない。

個性を邪魔ものと捉えるシステムが、
個人の充足感をサポートするのに必要な条件を
作り出すことはないからだ。

標準化されたシステムでは
「目的の追求が、やがて充足感に繋がる」
と請け合っているが、
これも空約束でしかない。

だからこそ、標準化時代に充足感を感じることが、
これほどまでに少なくなってしまったのだ。

対照的に、ダークホース的な発想が輝き出すのが、
この「どのように」という問題を考えるときである。

その発想は、個々人の潜在能力を余すところなく
開花させる方法を明快に示している。

「自分にとって最も大切なことで上達せよ」と。

これがダークホースから出された個人軸の
成功のための処方箋だ。

ここに、彼らの発想の四要素が
簡潔に集約されているし、
勾配上昇法も単純明快にまとまった形で含まれている。

すなわち、「上達せよ」とは、
卓越の域という山頂まで登っていくことであり、
独自の戦略を探し出し、
目的地を無視することによって、
目標を自ら創出し達成する過程を意味している。

「自分にとって最も大切なこと」とは、
どの山に登るか選択することであり、
自分の小さなモチベーションを
探し出すことによって
情熱を生み出し燃え立たせる過程と、
自分に合う選択肢を見極めることによって
目的意識をつくり出す過程を意味している。

成功という山を踏破するには、
自ら作り出した情熱から生まれるエネルギーと、
自ら生み出した目的意識から生まれる
方向性とが必要であり、
湧き起こる充足感に満たされるには、
自ら設定した目標を達成して得られる誇りと
自尊心と充実感が必要である。

◆勾配上昇法(Gadient Ascent)

ダークホース的な発想にある4つの要素は、
すべて合わせて適用されると、
勾配上昇法アルゴリズムと同じ機能を
果たすようになる。

勾配上昇法が山登りにどう適用されるか、
順を追って見てみよう。

まず、スタート地点の近くにある斜面をすべて見渡し、
最も急な斜面をひとつ見つける。

しばらくの間、その方向に登り続け、
それから足を止めて見晴らしの利くようになった
地点から周囲を見渡す。

この段階で、もっと望ましいルート
(正確には、もっと急な斜面)がないか
見極めるためだ。

このプロセスを何度も繰り返しながら、
着実に高度を上げていき、
ついに山頂に到達する。

このプロセスでは、頂上までの最速のルートは
見つからないかもしれないが、
確実にそこへ辿り着けるのである。

成功したければ、
「最も険しい急斜面」を登って行け!

このプロセスは、
「自分に合った戦略を見つける」
ための試行錯誤方式の根底にある
数学的な論理を捉えたものだ。

つまり、あなたのファジーな強みに
フィットする戦略を探すのは、
「上達」を目指して登ろうとする山の、
最も険しい急斜面を探すということである。

この特質によって、われわれは、
なぜダークホース的な発想のほうが
「目的地を知り、懸命に努力し、コースから逸れるな」
と提起する標準公式よりも、
個人を成功へと導けるのか理解することができる。

あなたにとってアクセス可能な頂上や谷は、
隣人にとってアクセス可能な頂上や谷とは違うのだ。

専門知識を身につけるために、
万人に適する、唯一最善の方法が存在する
という考え方は、
数学的に言って、まったくのデタラメなのである。

勾配上昇法は、また、
目標と目的地の違いを明らかにするものだ。