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思考停止という病 [2] 【苫米地英人】



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思考停止という病 [その2] 

◆自分の人生の価値は、自分が決める

お金が欲しい、
お金を稼ぐということ自体は問題ない。

ただ、お金がゴールにならないということが大事。

オススメは、
現在の収入とは別に職業を持つこと。

自分が収入を得ている仕事と
自分のやりたい職業を分けて考えてみる。

たとえば、
・今のファイナンス活動は、サラリーマン
・職業はコーチ
でもいい。

ファイナンスと職業は別なゴールである。

お金やビジネスは大切だが、
それは自己実現としてではなく、
たんなるファイナンスとして考えたほうがいい。

それよりもあなたは、
本当に好きなことをして生きることを目指してみる。

自分の価値を資本主義に乗せてはいけない。

自分の価値や人生の価値は、
自分自身が決めればいい。

◆資本主義が生んだ4つの欲求

お金をゴールにする人は、
抽象度が低くなるため、
騙されやすくなり、
幸せになれないことが多い。

人がお金持ちを目指すのは、
「もっとたくさんの物が欲しい」
という欲求があるから。

ではこの欲求はどこからうまれたのかというと、
そもそもメディアにそう思い込まされて、
生まれた感情かも知れない。

人間の生得的せいとくてきにある欲求としては、
「食欲」「性欲」「睡眠欲」が有名。

しかし、人類の脳が発達した結果、
人間の欲求はどんどん肥大化している。

その結果もうひとつの欲求がうまれた。

それが「物欲」である。

「お金持ちになるのがえらい」
「稼げる人はすごい」
「お金がないと老後に苦しい思いをする」

と、社会が我々を啓蒙してきた。

結局、お金をゴールにする人は、
他人の頭で考えさせられているのである。

◆お金を稼ぐ仕事と職業は分けて考える

お金を稼ぐのと、
自分の職業は別でいい。

もちろん、
両方とも稼げているほうが望ましいが、
自分の職業が即収入になっていなくてもかまわない。

日本は資本主義社会であり、
誰にでも煩悩はあるので、
お金持ちになりたいと思うことはごく自然のこと。

しかし、お金をゴールにした瞬間、
人間は自由ではなくなる。

お金の欲求を持つこと自体は問題ないが、
それがゴールになるとまずい。

職業とは自分が社会に提供する機能のこと。

それがお金になるかどうかはどうでもいいこと。

◆ゴールは8つ持つ

・仕事
・健康
・趣味
・生涯学習
・家庭
・ファイナンス
・地域活動
・社会全体に対する貢献活動

ここで重要なことは、
お金と仕事を分けること。

お金と仕事を分ける理由は、
お金は、あくまでもその他のゴールを達成するための
ファイナンス活動の一部にすぎない。

◆生き方・働き方で悩むのは、
ビジネスに自己実現を求めるから

人生において考えることは大切。

しかし、考えすぎて、
うつになってしまったり、
人生に迷ってしまったりしては、
本末転倒。

よくあるのは、
仕事や人間関係について悩むこと。

たとえば、
仕事をしていると、
「この仕事で成功できなければ、人生は終わりだ」
「出世できなければ、
  これまでの努力はすべてだめになる」
「この学校に入れなければ、生きている価値がない」
と考えてしまう人がいる。

社会で認められること、
会社で出世することが
人生の目標になっている人がいる。

これが大きな間違い。

悩んでしまうのは、
全部そのビジネスに自己実現を求めるからである。

仕事で結果を出せないことで、
まるで自分の人生が価値のないもののように感じられ、
必死になって奴隷のように働くことになってしまう。

ビジネスに自己実現を求めてはいけない。

どんなにうまくいったとしても、
たんに預金残高が増えるだけ。

もちろんお金は重要だが、
あなたの人生のすべてをかけて取り組むものではない。

それは、自分の頭で考え、
自ら選択するべきことである。

もうひとつ問題なのは、
サラリーマンの場合、
基本的に「ごますり」になってしまう。

◆全体を把握するだけで、知識量が変わる

一気に知識をつけるために、
まずやるべきことは、
全体を最初に知ること。

抽象度を上げると、
すべての情報が一気に進む。

だからまず、
全体を知る必要がある。

頭のいい人は、
仕事の全体を俯瞰して見ている。

新人の頃は前に見えるのは
与えられた仕事だけ。

新人の頃から優秀な成績を残せている人とは、
全体が見えている人。

つまりヒルクライミングしながら、
仕事ができる人だけ。