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人生は4つの「おつきあい」[1]大切にできるのは、「いま、この瞬間」だけ【小林正観】



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◆大切にできるのは、「いま、この瞬間」だけ 

いまという瞬間に幸せを感じるということは、
目の前のあるものを楽しみ、味わい、
大事にすること。

いま目の前にいる人を大事にして、
できるかぎりのことをしてあげる。

それは、「念を入れて生きる」と言い換えてもいい。

「念」という文字は、「今」の「心」と書く。

「念を入れて生きる」とはどういうことなのか、
すでに「念」という1文字に成り立ちが
こめられている。

お釈迦さまはあるとき、
まわりにいるお弟子さんたちにこう問いかけた・・・

「人間の一生の長さはどれぐらいであるか?」

弟子たちは、口々に自分が考えた答えを言った。

「私の友人は30歳まで生きたので、30年でしょうか」
「私の叔父は50歳まで生きたので、50年でしょうか」
「私の祖父は70歳まで生きたので、70年でしょうか」
「山に住んでいる仙人は120歳まで生きたそうです。
120年でしょうか」

お釈迦さまは、
「いや、どれも違う」と言って、次のように答えた。

「人間の一生の長さとは、刹那、刹那、
この1刹那である」

拍手を1回打つと、それは65刹那だという。

つまり1刹那とは、ほんの一瞬。

いまここの一瞬、一瞬が一生の長さだと
お釈迦さまは説いた。

私たちはともすると、
明日何しようか、将来どうなっているかなどと考えて、
いまの瞬間を過ごしている。

しかし、「刹那」を生きるということは、
目の前にいる人、現象を大切にすること。

いまという瞬間を心をこめて生きることである。

この一瞬を大切にしないで、
いつ、誰を大切にするというのか。

私たちは、いま目の前にいる人、
いまここに起こっていることしか
大切にすることはできない。

昨日会った人を抱きしめることはできないし、
明日会う予定の人を抱きしめることもできない。

いま目の前の人を抱きしめること。

自分のとびっきりの笑顔を見せてあげること、
できるかぎりのやさしい言葉を贈ってあげること。