◆人口知能革命による「学歴社会」の崩壊 いま、世の中では、様々な変化が急激に起こり、 その結果、短期間に、一つの産業や市場、業界や事業、 職種や仕事が消滅することなど 日常茶飯事になっているが、 その変化の中で淘汰されてしまうのは、 常に、根拠の無い楽観論に浸り、 その変化を脅威と思わず、 危機感を持たない企業や人材である。 「知識の記録力」と「論理的思考力」だけで 行える仕事を担う「知的職業」は、 その大半が、人工知能におって置き換わっていく。 専門的知識と論理的思考による判断では、 人工知能は人間に比べ、 圧倒的に優れた力を発揮するからだ。 そして、知的職業の危機は、そのまま、 現在の「学歴社会」の崩壊を意味している。 では、東大卒の学歴でも淘汰される時代に、 我々は、いかなる能力を身につけ、磨いていくべきか。 それは、「学歴的能力」よりも高度な 「3つの能力」を身につけることである。 1: 職業的能力 2: 対人的能力 3: 組織的能力 しかし、この「3つの能力」の根本にある力は、 やはり「人間力」と呼ばれるもの。 そして、人工知能革命が到来する遥か以前から、 実社会で活躍する優れた人物は、 誰もがこの力を身につけていた。 不思議なことに、この最先端の革命がもたらすものは、 懐かしい価値への原点回帰に他ならない。 ◆我々は、希望を抱いて未来を見つめるとき、 人生に対して肯定的であればあるほど、 「未来は定まっていない。運命など存在しない。 自らの力で未来を切り拓く」という思いを抱く。 しかし、一方、我々は、 すでに起こってしまった過去の出来事を、 悔いを抱いて見つめるとき、 それが受け入れがたい痛苦なものであればあるほど、 「あの出来事は、 自分の人生に与えられた運命であっ たのか・・・」 との思いを抱く。 それは、人類の歴史の中で、 古今東西の多くの物語や文学において語られてきた 「運命を受け容れる」 という人間の心の姿に他ならない。 では、この「運命を受け容れる」 という言葉の真の意味は、何か。 いかに逆境に満ちた人生が与えられようとも、 いかに苦労の多い人生が与えられようとも、 それでも、それは、ただ一度かぎりの、 かけがえの無い、自分の人生。 そう思い定め、その人生を慈しみ、 与えられた逆境と苦労を魂の成長の糧として歩むとき、 「運命」という言葉は、いつか、 「天命」という言葉に変わっていくのであろう。 ◆地球は「奇跡の惑星」 この地球は、太陽から遠すぎず、 近すぎず、最適の距離にあったため、 生命が生まれる稀有の環境が与えられた。 それゆえ、46億年前に誕生した地球は、 最初の10億年の間に、原始の生命を生み出し、 それが、さらに数十億年の歳月をかけ、 生命進化の旅路を辿った。 原初的な生命から、魚類や両生類へ、 爬虫類や鳥類へ、哺乳類や霊長類へ、 そして、高度な精神を持った人類へ。 我々は、その138億年の旅路の果てに、 いま、ここにいる。