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得する生活―お金持ちになる人の考え方[4] 【橘 玲】



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◆現在、日本には次の3つの信用情報機関がある。

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)

CICとJICCは、
クレジットカード会社や消費者金融などの
金融機関が加盟する信用情報機関だ。

全情連情報センターは、
消費者金融業協会が運営する信用情報機関である。

クレジットカードを使ったり、
消費者金融からお金を借りたりすると、
その情報はすべてこれらの信用情報機関に登録される。

この情報をもとに、金融機関は融資の審査や、
貸し倒れのリスク判断を行う。

そして、これらの信用情報が削除されるのは、
次のようになっている。

・契約情報:契約終了後、5年後

・事故情報:債務不履行や任意整理の場合は5年後、
個人再生や自己破産の場合は10年後

したがって、個人再生、自己破産の場合、
10年間はクレジットカードを作れないし、
金融機関からの借金ができなくなる。

◆バカの三段論法

1: 同じ金を借りるなら、
貸出し金利は安い方が有利だと気づくのは、
賢い消費者である。

2: 賢い消費者は、
そもそも高利の借金などしない。

3: 彼らにとっては年利10%でも充分な高利なので、
多少金利を下げたくらいでは金を借りたりしない。

もしこの論理が正しいとすれば、
消費者金融で金を借りる人たちは、
「賢くない消費者(バカ)」ということになる。

そこで、
バカを主体にして論理を構築すると次のようになる。

1: 同じ金を借りるのに金利の高低に
気づかないのはバカな消費者である。

2: バカな消費者は、
目先の欲望に目がくらんでいるから、
高利の借金でも気にしない。

3: バカにとっては、年利10%も20%も変わらない。

経済学においては、
すべての市場参加者は経済合理的に
行動すると仮定されている。

しかし現実の人間は、
経済合理性を基準に生きているわけではない。

彼らは往々にして、
不合理な行動をする。