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得する生活―お金持ちになる人の考え方[7] 【橘 玲】



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◆個人版民事再生法の場合は
「退職金」はどうなるの?

個人版民事再生法の場合は、
将来もらえる「退職金」は
差し押さえの対象にはならない。

個人版民事再生法では、
債務者の生活を維持するために必要な財産は、
差し押さえの対象から除外される。

そのため、退職金は、
生活費として必要な財産として認められるため、
差し押さえの対象にはならない。

ただし、退職金が、
個人再生計画の履行に必要な財産である場合、
裁判所の許可を得て、
退職金の一部を差し押さえされる可能性がある。

具体的には、
次のいずれかの条件を満たす場合に、
退職金の差し押さえが認められる可能性がある。

・退職金が、個人再生計画の支払いに必要な場合

・退職金が、個人再生計画の担保に必要な場合

なお、個人版民事再生法の申立てを行う際には、
退職金の額と用途を裁判所に申告する必要がある。

裁判所は、申告内容を審査して、
差し押さえの可否を判断する。

◆自己破産したとき「退職金」はどうなるの?

自己破産の場合、
原則として退職金は差し押さえの対象となる。

ただし、以下の条件を満たす場合は、
差し押さえの対象外となる可能性がある。

・退職金の額が、生活費として必要な額を超える場合

・退職金が、
  債務者の生活を立て直すために必要な場合

生活費 = 最低生活費 + 特別生活費

最低生活費は、
健康保険料や国民年金保険料、住居費、食費、
交通費などの必要経費を基に算出される。

特別生活費は、教育費や介護費などの
特別な費用を基に算出される。

なお、自己破産の申立てを行う際には、
退職金の額と用途を裁判所に申告する必要がある。

裁判所は、申告内容を審査して、
差し押さえの可否を判断する。

◆弱者に優しい国

日本は弱者に優しい国である。

したがって、他人より有利な扱いを受けるにはまず
「弱者」にならなければならない。

不況で会社をリストラされ、
家族を抱え、
再就職もままならないという状況が最適である。

それがダメなら、
不景気で給料やボーナスが減額され、
ローンが返済できなくなっただけでもいい。

たまたまこうした「弱者」になる機会があったら、
あなたの目の前には新しい可能性が開けてくる。

借金を棒引きにする指南本がさくさん出ている。

簡単にまとめると次のようなものがある。

1: 自己破産

メリット:すべての借金が免除される。

デメリット:信用情報に傷が残る。

2: 個人版民事再生法

メリット:一部の借金が免除される。

デメリット:3年間(※)、
収入の3分の1(※)を返済しなければならない。

※返済期間と返済額は条件により異なる。

3: 特定調停

メリット:借金の減額や返済期間の延長を
認めてもらえる可能性がある。

デメリット:調停が成立しない場合、
裁判で争うことになる。