◆松陰からの学び(その2) 慣れ親しんだ場所から出る ひとりの人間には、多くの可能性がある。 ただひとり、 「自分」だけが可能性を制限することができる。 今までの自分が、 これからの自分を決定すると誰もが考えているのだ。 生まれてから今日まで、 いろんなつらいこと、 痛みを感じることがあった。 もう二度とそんな目に遭わないよう、 「自分」は常に的確な助言をくれる。 過去の自分の言うことを聞けば安全で安心だ。 だが「心からの充実」は得られない。 居心地のよい場所にい続ける限り、 本当にやりたいことはできない。 むしろ新しい刺激に弱くなり、 だんだん感情が鈍ってくるだけだ。 志は現状維持を否定する。 今のシステム、考え方、ルール、 そういうものを飛び越えないと実現しないものに、 目を向ける。 今、手にしている現実は、 過去の選択の結果だ。 そして未来は、 今まさに、心で決めたことによって決まる。 いつからでも。どこからでも。 松陰の感覚は 「うまくいくか知らないが、 これをやらなければ何も始まらない」だった。 それは良い結果を出すためでも、 周囲から称賛されるためでもなく、 人並み外れて強く、 心からの充実感を手に入れたいと 思ったがためだった。 慣れ親しんだ場所から出たとき、 自分にとって本当の人生がはじまる。 評判は傷ついても、生き方は傷つかない。 生き方を傷つけるのは、自分だけである。