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2035 10年後のニッポン[4] 【堀江貴文】



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◆日本の産業は三極化する

エリートは大企業に、
野心的な人材はスタートアップなどの
ベンチャー企業に、
そしてそれ以外の人はミクロな起業に乗り出す。

近い将来、
日本の産業はそうして三極化していくだろう。

世の中には、組織人として働くのが不得意な人がいる。

社内外の対人関係が億劫。

ストレスやプレッシャーに弱い。

早起きが苦手。

そんなタイプは組織には向かない。

スタートアップだろうがなんだろうが、
企業勤めは苦痛でしかないはずだ。

ネット環境がほぼ浸透したいま、
そういう人たちは自分らしい、
ミクロな起業を果たしていく。

そのわかりやすい事例の一つが「せどり」ビジネスだ。

せどりとは、
ある商品を仕入れ先から入手し、
それをべつの場所で高く売る物販ビジネスのことだ。

いわゆる「転売ヤー」とは違う。

例えば、海外のECサイトでレアな商品を探し当て、
購入希望者に届ける。

そんな目利きバイヤーの役割も果たす。

そしてなにより、せどりビジネスのいちばんの利点は
先行投資がほとんどいらないこと。

オフィスは不要。自宅でできる。

例えば「Alibaba」「eBay」などの
海外ECサイトで買い付け、
国内サイトの「メルカリ」「BASE(ベイス)」で売る。

つまり商品の仕入れも発送も
オンラインシステムで完結するのだ。

ちなみに、海外ECサイトで買い付けた商品を
日本の「Amazon」に出品するのはNGだ。

なぜか?

「Amazon」に出品するには、独自商品か
正規の仕入先から仕入れしないと出品できない。

やがて事業が軌道に乗れば、
ランディングページなどのコストをかけ、
規模拡大を図ればいい。

◆タイパ格差が拡がる

新型コロナウイルス騒動をきっかけに
日本中に拡がったリモートワーク。

そのまま定着するかと思ったが違った。

大勢の人がオフィス出社に回帰しつつある。

普通に考えれば、
リモートワークのほうが働き方の自由度は高まり、
時間効率も生産性も向上する。

でもそれはあくまで理屈の話なのだ。

リモートワークが浸透しない背景には
理屈じゃない人間の性のようなものがある。

一方で、リモートワークによって
生産性が向上する人も少数派ながらいる。

彼らはその恩恵に俗し、
タイパ(タイムパフォーマンス)を高め、
高水準のワークライフバランスを獲得する。

家族と過ごす時間を増やしたり、
副業をこなしたりする人もいるだろう。

趣味に打ち込むゆとりもできる。

リモートワークで自由度の高い働き方をする人、
昔ながらの管理、拘束された働き方を継続する人。

今後はその二極化が顕著になっていく。

そしてそこには大きな格差が生じる。

なんの格差か?

豊かさだ。 

物心両面における豊かさである。