◆通信の破壊的革命 現在、Starlinkの通信速度は 一般的な光回線に四滴するクオリティだ。 地上の基地局が行き届いていないような山間部の僻地、 あるいは海上でももちろんその通信速度は変わらない。 天災や戦争で基地局が破壊されても とうぜん影響はない。 Starlinkに代表されるような低軌道衛星通信に 「光衛生通信」が組み合わされれば最強だろう。 光衛生通信とは、 従来のような電波による通信ではなく、 レーザー光を使った通信技術のことだ。 真空の宇宙からレーザー光を放てば、 まさに光の速度となる。 6G通信をはるかに超える通信環境が生まれるだろう。 いずれにせよそう遠くない未来、 ドコモやauが莫大なコストをかけた 基地局はいらなくなる。 楽天モバイルも巨額の資金調達をして 基地局設置に血眼になっているがこれも無駄になる。 宇宙からネットをつなぐ新時代は、 もう幕を開けているのだ。 ◆「人口の太陽」がいよいよ稼働する 核融合発電はあらゆるエネルギー問題を解決する。 なによりもその発電能力がすさまじい。 核融合炉において燃料(重水素や三重水素) 1グラムから得られる核融合エネルギーは、 石油8トンの燃焼エネルギーに四滴する。 しかも安全だ。 その夢が実現しようとしている。 日本を含む大型国際プロジェクト「ITER」により、 2020年、人類初となる核融合実験炉の建設が フランスの地でスタートした。 運転開始予定は2025年。 そして2035年までに出力エネルギーが 入力エネルギーを上回る見込みだ。 今後10年ほどで核融合発電が実現する可能性がある。 それは全世界が産油国になるようなものだ。 懸念されている将来的な資源枯渇も一掃される。 資源をめぐる紛争もなくなる。 ◆トヨタは落ちるべくして落ちる 世界の自動車業界にとってゲームチェンジャーであり、 今後本格的に普及していくEV車。 だが、世界一の自動車メーカー・トヨタは 完全に出遅れてしまった。 トヨタの自動車メーカーとしての技術に 疑いの余地はない。 そして資金力もある。 だが現在のEV開発ではガソリン車やHVとは 大きく異なるノウハウが求められる。 その代表格がICT(情報通信技術)だ。 EVのトップメーカーであるテスラやBYDが製造している EVは常時インターネットに接続される コネクテッド・カーとして、従来の自動車にはなかった 画期的なスペックを獲得している。 わかりやすく喩えるなら、 「走るスマートフォン」なのだ。 スマホは端末を替えずともそのOSが アップデートされることで新しい機能が加わる。 それと同じような技術がEVにも持ち込まれている。 つまり、最新のEV開発では車体そのものに加え、 ソフトウェアの充実化がマストなのだ。 その意味でIT世界出身のイーロン・マスク氏率いる テスラは圧倒的に有利だろう。 これまでのトヨタのスタンスを見るかぎり、 経営陣がそうしたソフトウェアの重要性に 気づいているとは思えない。 現在の自動車メーカーを取り巻く環境は、 一昔前の携帯電話メーカーのそれと重なって見える。 「ガソリン車とEV車」の関係は、 「ガラケーとスマホ」の関係と非常に似ている。 自動車産業でもこれと同じようなことが 起きようとしている。 EVの登場により、 テスラ・BYDがトヨタを王者の座から引きずり下ろす。 そんな未来だ。 トヨタはすぐ経営が傾くことはない。 でも、じわじわ弱っていく。 このままなら10年後、いまのトヨタの姿はないだろう。