そもさん、われら、かりそめにも、 天地の因縁に恵まれて、万物の霊長たる人間として、 この大宇宙の中に生まれし以上、 まず、第一に知らねばならぬことは、 人生に絡からまり存在する 幽玄微妙ゆうげんびみょうなる宇宙真理なり。 誠や、この自覚を正しく厳おごそかになし得なば、 敢あえてもとめずとても、その身を健やかに、 その運命を和なごやかにするを得ん。 これぞ、正に、千古昭せんこしょうとして耽存たんぞんする、 尊厳犯すべからざる人生の鉄則にして、 また、神ながらに定められたる、 動かすべからざるの天理なり。 しかも心より喜ばんかな、われら、今や正まさに、 雀躍こおどする感激に咽むせびつつ、 この妙諦みょうていとその手段とを知れり。 ああこの幸い、この恵み! そも何をもってかたとえん。 顧みれば、転々として人生の悶もだえと 悩みに苦しみしこと幾年月! 今や、われ、ここに、 豁然かつぜんとして無明むみょうの迷いより覚め、 自覚更正の大道に入るの関門に立ち、 心眼すでに開けて行手いくてに栄光燎乱りょうらんたる 人生を望み得し今日、我が心はただ、 ひたすらに、言い能あたわざるの、 限りなき欣よろこびに勇みたつ。 しかり!世の人々の、すべてのすべて、 よしや富貴栄達ふうきりたつ名門名誉の人といえども、 しょせん味わい得ぬ、この欣びと、 この感激!誠!恵まれたる我よ、と思えば、 などか、この尊き因縁を、 とこしえに忘れ能うべき。 されば、堅く、我と我が心に、この欣びと、 この幸いとを根強く植えつけて、一意専心、 黽勉びんべん努力、実践躬行きゅうこう、 ふたたび人生無自覚の 過ちを繰り返さざらんがために、 厳かに反省の鞭むちを手にし、 ひたむきに向上の一路へと颯爽さっそうと邁進まいしんし、 われらの住むこの世界に、誠と、愛と、 平和に活きんとする人の数を多からしむるべく、 我まず、その模範の人とならんことを、 自から、自からの心に、厳げんとして誓わん。 【◀前の誦句へ】