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Windows 11にPythonの32-bit版と64-bit版の開発環境を用意するには【2】

このシリーズではWindows 11にPythonの異なる開発環境(32-bit/64-bit)を用意するための手順を解説します。 Pythonの複数の開発環境を用意するシリーズは、次の5つの記事から構成されています。 シリーズの第2回目では、Windows 11に64-bit版のPythonの開発環境を用意するための手順を解説します。 ここではPython 3.9.xの64-bit版の開発環境を作成します。

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図A:
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図B:
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図C:
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図D:
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図E:


Python 3.9.xの64-bit版の開発環境を作成する

  1. Windows 11のコマンドプロンプトを起動


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    図1-1
    Windows 11の[スタート]ボタンをクリックしたら検索窓に「command」を入力して「コマンド プロンプト」を検索します。 検索結果が表示されたら「管理者として実行」を選択します。


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    図1-2
    Windowsのディスクトップに「コマンド プロンプト」のウィンドウが表示されます。


  2. 「where python.exe」コマンドでPythonのパスを調べる

    where python.exe

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    図2-1
    コマンドプロンプトから行1の「where python.exe」を入力したら[Enter]を押して実行します。 すると既にインストールされているPython.exeの一覧が表示されます。 64-bit版のPythonをまだインストールしていないときは、Pythonの「公式サイト」からダウンロードしてインストールしてください。 64-bit版のPythonは通常「...\Python39」のフォルダにインストールされます。


    C:\Users\XPS8910\AppData\Local\Programs\Python\Python39\python.exe --version   
                                            
    C:\Users\XPS8910\AppData\Local\Programs\Python\Python39\python.exe
    
    import sys
    is64Bit = sys.maxsize > 2 ** 32
    print("64bit") if is64Bit else print("32bit")
    
    quit()

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    図2-2
    コマンドプロンプトから行1の「...\python.exe --version」を入力してPythonのバージョン番号を確認します。 オレンジの部分は各自の環境に合わせて書き換えてください。 ここでは「Python 3.9.9」が表示されています。

    次に行3の「...\python.exe」を入力してPythonを起動します。 Pythonのプロンプト「>>>」が表示されたら行5-7のPythonのコードを入力(コピペ)します。 ここで入力したコードはPythonが32-bitか64-bitかを表示します。 ここでは「64bit」が表示されています。 最後に行9の「quit()」を入力してPythonを終了させます。


  3. Pythonの仮想環境を作成する(Python 64-bit Version)

    cd C:\xps8700
    mkdir Python64BitTest
    cd Python64BitTest
    C:\Users\XPS8910\AppData\Local\Programs\Python\Python39\python -m venv venv

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    図3
    コマンドプロンプトから行1の「cd ...」を入力してプロジェクトフォルダを作成する親フォルダに移動します。 ここでは「C:\xps8700」の親フォルダに移動しています。

    行2の「mkdir Python64BitTest」を入力してPython 64-bit版のプロジェクトフォルダを作成します。 行3の「cd Python64BitTest」を入力してPython 64-bit版のフォルダに移動します。 コマンドプロンプトから行4の「...\python -m venv venv」を入力してPythonの仮想環境を作成します。 仮想環境を作成するときは64-bit版のPython.exeのフルパスを指定します。


  4. 仮想環境をアクティブにする

    venv\Scripts\activate.bat

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    図4-1
    コマンドプロンプトから行1の「...\activate.bat」を入力して実行します。


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    図4-2
    仮想環境がアクティブになってコマンドプロンプトに「(venv)」が表示されます。 この状態でPythonの開発環境は64-bit版になっています。


  5. Pythonのライブラリをインストールする

    pip install numpy
    pip install pandas
    pip install matplotlib

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    図5-1
    コマンドプロンプトから行1の「pip install numpy」を入力して64-bit版のnumpyのライブラリをインストールします。 ここでは「pip」も最新版にアップグレードしています。


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    図5-2
    コマンドプロンプトから行2の「pip install pandas」を入力して64-bit版のpandasのライブラリをインストールします。


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    図5-3
    コマンドプロンプトから行3の「pip install matplotlib」を入力して64-bit版のmatplotlibのライブラリをインストールします。


  6. Pythonのライブラリを表示する

    pip list

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    図6
    コマンドプロンプトから行1の「pip list」を入力して実行します。 プロンプトプロンプトに仮想環境にインストールされているPythonのライブラリの一覧が表示されます。


  7. Pythonの「requirements.txt」ファイルを作成する

    pip freeze >requirements.txt

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    図7-1
    コマンドプロンプトから行1の「pip freeze ...」を入力して実行します。


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    図7-2
    「requirements.txt」ファイルにPythonのライブラリをインストールするためのコマンドが作成されます。


  8. 「requirements.txt」ファイルからPythonのライブラリを再インストールしてみる

    pip install -r requirements.txt

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    図8
    コマンドプロンプトから行1の「pip install -r ...」を実行します。 仮想環境にインストールされている全てのPythonのライブラリを再インストールします。 「requirements.txt」ファイルを作成しておくと、別の仮想環境にまったく同じライブラリがインストールされている環境を作ることができます。


  9. 仮想環境を無効にする

    deactivate
    cd..
    rmdir Python64BitTest

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    図9
    コマンドプロンプトから行1の「deactivate」を入力して実行します。 仮想環境が無効になってコマンドプロンプトから「(venv)」が消えます。 仮想環境を削除するには行2の「cd..」を実行して親フォルダに移動したら行3の「rmdir...」を実行してプロジェクトフォルダを削除します。 これでWindows 11からPythonの仮想環境が削除されます。


  10. Visual Studio Code(VSC)から仮想環境を設定する


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    図10-1
    Visual Studio Code(VSC)を起動したら[File]メニューから[Open Folder...]を選択します。


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    図10-2
    「Open Folder」ダイアログが表示されたら、 前出のステップで作成したPythonのプロジェクトフォルダ「Python64BitTest」を選択して[ファイルの選択]ボタンをクリックします。


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    図10-3
    選択したフォルダが信頼できるかどうかの確認メッセージが表示されたら「Yes」を選択します。


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    図10-4
    [Ctrl]+[Shift]+[P]を同時に押してコマンドリストを表示したら「Python: Select Interpreter」を選択します。


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    図10-5
    続いて、コマンドリストから「+インタープリターパスを入力...」▶「検索」を選択します。 「Python インタープリターを選択」のダイアログが表示されたら 「Python64BitTest\venv\Scripts」フォルダに格納されている「python.exe」を選択して[インタープリターを選択]ボタンをクリックします。 これでPythonの64-bit版が使用されます。


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    図10-6
    SVCから[File]のアイコンをクリックしたら右上の[New File]をクリックしてテキストボックスにPythonのファイル名「HelloWorld.py」を入力します。


    print('Hello, World!')
    
    import sys
    is64Bit = sys.maxsize > 2 ** 32
    print("64bit") if is64Bit else print("32bit")
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    図10-7
    Pythonの新規ファイルを作成したら行1の「print('Hello, World!')」を入力します。 そして右端の[▶]ボタンをクリックしてプログラムを起動します。 「TERMINAL」ウィンドウに「Hello, World!」が表示されます。


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    図10-8
    行3-5を入力したら[▶]をクリックしてプログラムを再起動します。 「TERMINAL」ウィンドウに「64bit」が表示されます。



    TIP1: 「TERMINAL」ウィンドウを開くときにPowerShellのセキュリティエラーが発生するときは、 Visual Studio Codeを管理者として起動してから「TERMINAL」ウィンドウから「Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy Bypass -Scope CurrentUser」のコマンドを実行してください。 なお、このコマンドの詳細は、 「ここ」をクリックしてください。
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    TIP1