◆労働者は貴重な購買力をいくらか手放してでも 余暇を得たいと考えていることが分かった。 様々な社会問題を解決する労働時間の短縮。 政策としてお金を時間に換え、 教育に投資し、退職制度を柔軟にして、 徐々に労働時間を減らしていくことが必要だ。 ◆経済成長はさらに余暇と消費を生み出したが、 80年以降に増えたのは主に消費だった。 そして消費の流行は借金によって続いた。 より働かなければ、生活レベルが下がる。 だから労働時間の短縮は無理だ、 と主張されるようになった。 ◆「ボーモルのコスト病」と呼ばれる現象がある。 この現象は、 医療や教育のような労働集約型のサービスは、 大半の作業を自動化できる部門に比べると 生産性が向上しにくいので、 高くつく、というものだ、 しかし、私達はこれを恵みと呼ぶべきではないか? 技術の進歩に伴って、 時間をかけて高齢者や弱者の面倒を見たり、 個々人に合った教育をしたりできるようになるのだ。 ◆不平等が大きくなり過ぎると、 実は裕福な人々も苦しむことになる。 彼らも気分が塞いだり、疑い深くなったり、 その他の無数の社会的問題を背負いやすくなる。 ◆すでに過剰な負担を強いられ、 最も助けを必要とする人は、 政府に助けを求める可能性が最も低い。 「奨学金の中には、 資格のある人の30%しか申し込まないものもある」 と心理学者は言う。 奨学金という制度は、 欠乏で狭くなった視野のずっと外にあるのだ。