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ツキの方程式〔3〕運の良い人は社交性に富む【マックス・ギュンター】



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◆人間は皆、
「お互いに好きになろうとする、
お互いに助け合おうとする」
性質を本能的に持っている。

たとえ見知らぬ人でも、
自分から思い切って話しかけてみれば、
きっと、誰もが「人を好きになりたいし、
人に好かれたい」と思っていることがわかるはずだ。

他人が怖い人、
他人の拒絶が怖い人こそ、
あえて他人との接触をはかるべきである。

それが恐怖心を取り除く一番の方法(治療)である。

見知らぬ人を笑顔にする一番簡単な方法は、
些細なことでいいので、
その人に何か助けを求めることだ。

たとえば、「今、何時ですか」と時間を尋ねる、
というくらいでいい。

◆IBMの創始者、トーマス・ワトソン・シニアは、
自分の体験から学んだことを
新入社員たちに教えるとき、
次のように語った。

「顧客を真に愛さなければ、商品は売れない」

この言葉は、
新入社員のなかでも特に教養ある者たちには、
あまりにも単純でバカげているように聞こえる。

何度も同じことを言われ、
うんざりして辞めてしまう者も少なくなかった。

だが、実はそれこそがワトソンの狙いだった。

セールスマンとして成功する見込みのある者なら、
ワトソンの言うことは、
まったく議論の余地のない真実だと認めるだろう。

見知らぬ人であっても真に愛することができなくては、
とてもセールスマンは務まらない。

小手先のテクニックなどではとてもごまかせない、
というのがワトソンの考えだった。

小手先のテクニックが通じないのは、
私たちが、自分のまとう空気を完全に
コントロールできないからである。

「空気」を構成する要素のなかに、
自分の意志ではどうすることもできないものがある。

たとえば、
「瞳孔の大きさ」などはその一つだろう。

実は、見ているものが好きかどうかによって、
瞳孔が大きくなったり小さくなったりする。

好きなものを見ると大きくなり、
逆に好きでないものを見ると小さくなるのだ。

私たちは無意識のうちに、
この瞳孔の大きさを、
好きかどうかを相手に伝える
(または相手に好かれているかどうかを知る)
非常に重要な信号として利用している。

◆友人、知人の輪が広いほど
(つまりクモの巣の大きいほど)、
幸運は訪れやすくなるのである。

運命の神様が、
どんな幸運を自分のために用意してくれているのか、
それを事前に知ることはできない。

どういう人間関係を築けば、
どういう幸運がやってくるのか、
そんなことは一切わからないのだ。

しかし、自分の名前を知っている人の数が増えれば、
その数に比例して幸運の訪れる確率が
上がることだけは確実である。

◆ヘッドハンターが、
求める人材に行き着くまでの経緯を
詳しく分析してみると、
単純に「知り合いの知り合い」をたどっていったら
良い人が見つかった、
というパターンが多いことがわかる。

◆クモは自ら糸を出して巣を張り、
ハエなどの虫を捕まえる。

当然、巣が大きいほど、
餌となる虫が捕まる可能性は高まる。

実は、これと同じことが運についても言えるのだ。

例外はあるが、
大きな幸運をつかむ人は、
たくさんの人と触れ合い、
友好的な関係を築いていることが多い。