◆新しい本を読むと、 以前に読んだ本について、 何かすごいことに気づくことがある。 知識はこうして複利のように増えていく。 新しい本を読むことで、 以前に読んだ本が大きな価値のあるものに 転換するということが起こるのだ。 そのため、「最高の本」など存在しない。 たいていは、何冊かの本が組み合わさって、 同期的に大きな非線形的な影響を生み出すのである。 関連がないように見える多くの本が、 実際には何らかの共通するテーマにつながっている。 このことに気づくと、 素晴らしいメリットがある。 自らを強制して最後まで読むのではなく、 関心が先導してくれるからだ。 もしその本に興味が持てなければ、 読むのをやめて節約した時間で もっと興味のあるものを読めばいい。 複数の本を同時に読んで、 興味がない本をやめ、 新しい本を読み始めることは、 自己学習の反脆弱的な手法と言える。 ◆良書を読まない人は、 本が読めない人と少しも変わらない。 ◆常に古いものに敬意を表し、 読むものや学ぶものは「リンディ効果」 を応用して選んでほしい。 「リンディ効果」とは、壊れないもの (例えば、テクノロジーやアイデア) の現在の年齢と将来の寿命は 比例しているという概念で、 1日たつたびに寿命が長くなるということである。 つまり、時の試練に耐えて50年、100年、 500年たっても読まれている本には、 永遠の知恵が書かれている。 このため、この先もさらに50年、100年、 500年も読み継がれることが期待できる。 永遠の知恵は時代を超えていくのだ。 ◆メディアで報道されていることは 情報ではなくノイズだが、 ほとんどの人はメディアが 私たちの注目を集めることに対して 利益を得ていることを理解していない。 ここでカギとなるのは、 知恵を追い求めるなかで、 一過性のもの(日々のニュース、SNSなどのトレンド) ではなく、時の試練に耐えたもの (例えば、歴史書や伝記)を 読まなければならないということである。 ◆私たちが目にする投稿(ニュース、SNS等)は、 親近性バイアスの影響を受けている。 これらの情報の多くは24時間以内に書かれたものだ。 そして、私たちは自分が触れる情報について 立ち止まって考えることはめったにない。 これは重要なことなのか、 時の試練に耐えることなのか(たとえ1年でも)、 といったことである。 年を重ねていくごとに、 世の中には反応しなくてよいことが たくさんあることが分かってくる。 このことは、 人生のほとんどについて言えることだし、 ニュース、SNSに関してはほぼすべてに当てはまる。 私たちは、今、関心があるたくさんの情報に 囲まれており、それを常に把握して おかなければならないという 果てしないプレッシャーに圧倒されている。 情報にあふれた世界では、 情報が多いゆえに散漫になってしまうものである。 情報が多すぎれば、受けての注意は散漫になる。 そこで、注意が散漫になるほど情報源が多いときは 慎重にアクセスしなければならない。