◆さまざまな知識分野が絡み合うと、 その過程でそれぞれが強力になる。 思慮深い人は、 それぞれの知識分野からカギとなる 重要なメンタルモデルを引き出し、 それぞれを組み合わせ、 すべてが結合した理解を生み出すことができる。 このような幅広い見方をするための 研鑽を積んでいけば、 知恵は自然に身についていく。 ◆中国に「聞いたことは忘れる、 見たことは覚えている。 やったことは分かる」という格言がある。 学ぶための最も良い方法は 実際にやってみることで、 そうすれば日々のさまざまな場面にメンタルモデルを 適用してみなければならなくなることが分かる。 自分自身のメンタルモデルとは、 世界や自己に対する自分自身の 認識や理解の枠組みを指す。 つまり、自分がどのように物事を捉え、理解し、 対処するかという思考や信念のパターンのこと。 メンタルモデルは、人々が情報を受け取り、 経験を解釈し、 意思決定を行うためのフィルターとなる。 これは、個人のバックグラウンド、知識、価値観、 信念、経験、文化などの要素によって形成される。 ◆ファインマンテクニック(Feynman Technique)は、 リチャード・P・ファインマン(Richard P. Feynman) という物理学者にちなんで名付けられた学習法である。 ファインマンテクニックは、 複雑な概念を簡潔な言葉で説明することを通じて、 深い理解を得るための方法である。 ファインマンテクニックの手順: 1. テーマを選ぶ: 学びたいテーマや概念を選ぶ 2. ペーパーで説明する: 選んだテーマを簡潔な言葉で説明するために、 紙に書き始める。 専門的な用語や専門的な言葉を使わずに、 誰にでも理解できるようにする。 3. 知識の欠落箇所を見つける: 説明を書きながら、自分が不明な点や 理解していない箇所に気づくことがある。 その箇所を特定し、 その後の学習に焦点を当てることができる。 4. 理解を深めるために学ぶ: 不明な点や理解していない箇所を埋めるために、 必要な情報を学ぶ。 教科書、オンラインの資料、動画講義などを活用する。 5. 再度説明する: 学んだ情報をもとに、再びテーマを説明する。 理解を深めるために、 より簡潔で分かりやすい言葉を使う。 6. 理解度をチェックする: 説明をした後、 自分自身に対して問いかけて理解度を確認する。 説明が明確かつ正確にできるかどうかをチェックする。 この手法は、深い理解を得るための 効果的な学習法として知られている。 説明をすることで、 自分の知識の欠落や理解度の不足を明確にし、 それを埋めるために必要な学習に 集中することができる。 ◆イーロン・マスクは、 知識をセマンティックツリーとしてとらえ、 「枝葉や詳細に入る前に、幹や太枝のような 基本原理を理解しておかなければ指針にならない」 と言っている。 新しい分野について学びたいときは、 まずは基本原理を特定し、 それを明確かつ深く学ぶということだ。 それならば、 これを効果的に行う方法はあるだろうか。 実は、その単純な方法がある。 ただ、単純だが、簡単ではない。 それが、 ファインマンテクニック(Feynman Technique)だ。 ◆ジェフ・ベゾスが1995年にAmazon.comを始めたとき、 彼は自分のビジネス哲学の指針となる 第一原理を明らかに見つけていた。 つまり、彼は長期的に考え、 競合他社ではなく顧客に集中した。 これによって、Amazonは変わることではなく、 変わらないこと-- 低価格や素早い配達や 幅広い品揃えといった顧客の要望--に注力した。 ベゾスは、CEOを辞めるまで執拗に この第一原理に集中していた。 このような思考によって世界有数の金持ちになった。