◆ピボタル・ポイント 「ピボタル・ポイント(Pivotal Point:PP)」 というのは私(リバモア)の命名だが、 私の片腕と言ってよいテクニックで、 取引を進める上で威力を発揮してくれる手段だった。 ひとことで言えば、 市場にいつ切り込み、 いつ引き揚げるか、 そのタイミングを決めるツールだ。 ピボタル・ポイントの一つに 「リバーサル・ピボタル・ポイント (Reversal Pivotal Points: RPP)」というのがある。 私の言い方で言うと、 「地合い、いわば値動きの核となる部分が 大きく方向転換するポイント」のことだ。 ベーシック・トレンドの転換点、 新しい動きが始まることが確実に認識できる 瞬間と言ってもいい。 私の取引手法では 相場が長期的なトレンドの天井圏にあるか 底値圏にあるかはさして問題ではない。 それから、第二のタイプのピボタル・ポイントとして、 「コンティニュエーション・ピボタル・ポイント (Continuation Pivotal Points: CPP)」と名付けた 概念がある。 RPPがトレンドの明確な方向転換を示す 瞬間であるのに対し、CPPの方は、 その直前までの動き、 流れを確認する瞬間であることを理解する必要がある。 「RPP」が確認されたら、 私の場合、 最高条件の取引タイミングが出現したことになる。 RPPは大抵、売買高の大幅増と一緒にやってくる。 この出来高の急増は、 巨狼きょろうのような買いの殺到に対する大規模な売りの応酬、 あるいはその逆の動きによって形成される。 この買い手と売り手の激しいせめぎ合いによって、 反転の事態が引き起こされる。 上昇相場ならここで上げ止まり、 下落相場ならここで下げ止まることとなる。 すなわち、ここから新しい動きが始まるだけだ。 この地合い反転を示す大商いは、 しばしば出来高平均の100%から、 500%増という規模に達する。 このRPPが真の転換点かどうかを確認するには、 どうしても腰のすわった忍耐が必要だ。 わたしはその確認を行うための テスト法を開発した。 まず「探りを入れてみよう」 というのがその基本なのだが、 最終的な取引規模を頭に描きながら、 小口取引で、結果を見るのだ。 その結果が予想どおりであれば、 本格的な売買へと進んでいく。 「ピボタル・ポイント」には今ひとつ、 「CPP」がある。 これは株価の動きの生理みたいなものだが、 一定方向のトレンドを保ちながら、 相場が一時的に反発したときのことだ。 このポイントは、 その時のトレンドに乗る第二の好機と言える一方、 取引規模を増大させるチャンスでもある。 ただし、このポイントはあくまでも 大きい潮の流れの中の反発や一服感であって、 本格的な調整、 トレンドの入れ替わりと混同してはならない。