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世紀の相場師ジェシー・リバモア〔1〕ピボタル・ポイント【リチャード・スミッテン】



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◆ピボタル・ポイント

「ピボタル・ポイント(Pivotal Point:PP)」
というのは私(リバモア)の命名だが、
私の片腕と言ってよいテクニックで、
取引を進める上で威力を発揮してくれる手段だった。

ひとことで言えば、
市場にいつ切り込み、
いつ引き揚げるか、
そのタイミングを決めるツールだ。

ピボタル・ポイントの一つに
「リバーサル・ピボタル・ポイント
(Reversal Pivotal Points: RPP)」というのがある。

私の言い方で言うと、
「地合い、いわば値動きの核となる部分が
大きく方向転換するポイント」のことだ。

ベーシック・トレンドの転換点、
新しい動きが始まることが確実に認識できる
瞬間と言ってもいい。

私の取引手法では
相場が長期的なトレンドの天井圏にあるか
底値圏にあるかはさして問題ではない。

それから、第二のタイプのピボタル・ポイントとして、
「コンティニュエーション・ピボタル・ポイント
(Continuation Pivotal Points: CPP)」と名付けた
概念がある。

RPPがトレンドの明確な方向転換を示す
瞬間であるのに対し、CPPの方は、
その直前までの動き、
流れを確認する瞬間であることを理解する必要がある。

「RPP」が確認されたら、
私の場合、
最高条件の取引タイミングが出現したことになる。

RPPは大抵、売買高の大幅増と一緒にやってくる。

この出来高の急増は、
巨狼きょろうのような買いの殺到に対する大規模な売りの応酬、
あるいはその逆の動きによって形成される。

この買い手と売り手の激しいせめぎ合いによって、
反転の事態が引き起こされる。

上昇相場ならここで上げ止まり、
下落相場ならここで下げ止まることとなる。

すなわち、ここから新しい動きが始まるだけだ。

この地合い反転を示す大商いは、
しばしば出来高平均の100%から、
500%増という規模に達する。

このRPPが真の転換点かどうかを確認するには、
どうしても腰のすわった忍耐が必要だ。

わたしはその確認を行うための
テスト法を開発した。

まず「探りを入れてみよう」
というのがその基本なのだが、
最終的な取引規模を頭に描きながら、
小口取引で、結果を見るのだ。

その結果が予想どおりであれば、
本格的な売買へと進んでいく。

「ピボタル・ポイント」には今ひとつ、
「CPP」がある。

これは株価の動きの生理みたいなものだが、
一定方向のトレンドを保ちながら、
相場が一時的に反発したときのことだ。

このポイントは、
その時のトレンドに乗る第二の好機と言える一方、
取引規模を増大させるチャンスでもある。

ただし、このポイントはあくまでも
大きい潮の流れの中の反発や一服感であって、
本格的な調整、
トレンドの入れ替わりと混同してはならない。