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マネーの公理〔5〕希望について【マックス・ギュンター】



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◆小さな損失は人生の現実として甘んじて受けよ。
大きな利益を待つ間には、
何度かそういう経験をすると考えろ。

理想的には、
小さな損失を喜んで受け入れるべきである。

小さな損失は、
大きな損失から我々を守ってくれるからだ。

小さな損失を受け入れる習慣を見につけよう。

もし、投資がうまくいかなければ、
立ち去り、ほかのことを試せばいい。

沈みつつある船に居残ってはいけない。

とらわれてはいけない。

下落しつつある投資が改善するのを待つのなら、
あなたは、何度も失望し、
貧乏なままでいる運命にある。

簡単ではないが、
最も生産的な態度は、
今後の人生においてさまざまな
金銭上の不快な現実のように、
わずかな損失はあることだと思うことだ。

たとえば、税金や電気代のように。

あなたは
「ああ、わかった。
生きるということは、そういうこと。
これも経費だ」と考える。

それは、投機のコストの一部なのだ。

それができないのなら、
大きな利益を期待する権利はない。


◆「船が沈み始めたら祈るな。飛び込め」
の公理を実行するときの3つの障害

1:後悔の恐怖

あなたが恐れているのは、
損切りした後に、下落していた株が高騰することだ。

それは痛みを伴う。

しかし、相場の急激な反転は頻繁には起こらない。

通常は、悪い状況は悪いままで、
少なくともしばらくはそのままだ。

投機対象の価格が急落する場合、
その原因は長期にわたる問題となりがちだ。

それらは徐々に発展し、徐々に解消される。

たいてい、正しい選択は、
価格が明らかに下落し始めたときに逃げ出すことだ。

2:投資の一部を断念しなければならない

損切りは一部の人には非常に苦痛なので、
彼らは売却することができない。

典型的な三流の投機家は本能的に、
価格が上がると期待しながら、
じっと待つものだ。

もし、あなたがその本能を克服できないなら、
あなたも三流の投機家のままだろうし、
あるいは破産するかもしれない。

損切りができないという心理は、
信用取引、つまり、
借入金でレバレッジをかけている場合には、
数倍悪い問題を招く。

3:自分が間違っていることを認めることの難しさ

人々のこの問題に対する反応はさまざまだ。

ある人は、ちょっとした不愉快なことだと考える。

また、ある人は、
あらゆるものの中で最大の障害であると思う。

価格が下落し始めたら、
売却すべきだということを、
あなたは理解している。

そうするためには、
自分が間違っていたことを認めなければならない。

一部の人にとって、
これは、途方もない苦痛だ。

典型的な負け犬は、
この痛みを回避しようとして、
結局、ぐるぐると悪い投資から抜け出せなくなる。

人間は普通、
自分のエゴを守ろうとする。

自分が間違っていたということを
認める必要性から逃れ、
自分が賢いことを信じ続けるのだ。

間違っていたことを認めるのを拒否することは、
最悪の反応だ。

◆株価が、
自分が保有している間に付けた最高値から
10~15%下落したら、利益が出ているか、
損しているかにかかわらず売却すべきだ。

ほとんどのプロの投資家は、
同様のルールを採用している。

大切なのは、早い段階で損切りすることだ。

あなたは、
小さな損失を出すことによって、
自らを大きな損失から守ることができる。

たとえば、
あなたは、ある銘柄を1株100ドルで購入したとする。

この投資はすぐに損を出し始め、
株価は85ドルに下落した。

買ってから後に買値よりも高値がなかったとしたら、
あなたの保有株はすでにその水準から
15%下落している。

ルールに従うなら、売却すべきだ。

何らかの改善が見られるという
確かな証拠がない限り、
手放さなければいけない。

あなたが1株を100ドルで買い、
株価が120ドルに上昇した後に、
100ドルに下落したときも、
売却すべきだ。

◆投機の半分は、
予め決めたゴールに達する前に、
うまくいかなくなると考えていい。

あなたが聞く助言の半分は、
的外れのものに違いない。

多くの投資家がほかのどんな失敗よりも
多大なコストをこうむるのは、
おそらく、沈没しつつある船から
飛び降りることができなかったときだろう。

間違いなく、
ほかのどんな形で財産を失う場合より
多くの涙を流すことになるはずだ。

船が沈み始めたら、飛び込め。

船が半分水に浸かるまで待ってはいけない。

期待したり、祈ったりしてはいけない。

目を覆ってはいけないし、
その場で恐れおののいてもいけない。

何が起こっているのか、
まわりを見渡すのだ。

状況を観察して、
起こりつつある問題が、
修正できるかどうか自問してみるのだ。

状況が改善しつつあることを示す、
信頼できて実体のある証拠を
見つけださなければならない。

もしも、それが存在しないなら、
手遅れになる前に行動を起こすのだ。

誰かがパニックになり始める前に、
穏やかに、そして慎重に船から飛び降りて、
自分自身を救うのである。